デクシア

デクシア（Dexia N.V./S.A.）は、かつてベルギーに本拠を置いていた金融機関です。1996年に、預金供託金庫を母体とする二社、すなわち1860年に分離したCrédit Communal de Belgiqueと、1987年にスピンオフしたCrédit Local de Franceが合併して設立されました。設立当初は公的金融機関としての性格を持っていました。

1997年にはイタリアのクレディオプ（Crediop）の支配権を獲得し、1999年には二元上場を解消してベルギー法人となりました。しかし、グループの主要な拠点はフランスに置かれていました。2000年には金融証券保険（Financial Security Assurance）を買収し、ゼニス銀行を強力に支配下に置きました。ベルギー、フランス、ルクセンブルク、トルコで商業銀行を運営するほか、地方債の発行を得意としていました。

2005年から2006年にかけては、カナダ、スイス、日本といった新たな市場を開拓し、トルコでも買収を成功させました（DenizBank）。フランスは19世紀末からオスマン債務管理局の利権を握っていたという背景も持っています。

しかし、2011年10月10日、デクシアはフランスとベルギー両政府の公的支援の下、経営破綻に至りました。背景には、ギリシャへのエクスポージャーの大きさが欧州債務危機の影響を受け、資金調達難に陥ったことがあります。株価が42%も急落し、フランスとベルギー政府が支援を表明する事態となりました。

最終的に、デクシア銀行はデクシア・グループからベルギー政府が買収し、Belfiusという名称で銀行業務を継続することになりました。デクシア・グループに残った部門は、売却または清算されました。経営破綻後、通常の金融業務は停止され、資産の流出管理のみに特化しています。現在、株式の99.6%はベルギー政府とフランス政府が保有しています。

経営破綻時、不良資産を含むデクシアの残りの資産900億ユーロには政府保証が付き、負担割合はベルギーが60.5%、フランスが36.5%、ルクセンブルクが3%となりました。不良債権を本体から切り離して受け皿機関に移し、これにフランスとベルギーが政府保証を与える形を取りました。

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