デザイン・ツー・コスト

デザイン・ツー・コスト（DTC）とは

デザイン・ツー・コスト（Design-to-Cost、DTC）は、製品の開発および製造にかかるコストを体系的に管理するための手法です。製品の企画段階からコストを重要な設計パラメータとして捉え、目標コストの達成を目指します。

基本的な考え方

DTCの基本的な考え方として、製品のコストは初期のコンセプト設計段階でほぼ決定され、後からコストを削減することは困難であるという前提があります。そのため、コストは機能やスケジュールと同様に重要な要素として扱われます。

プロジェクト管理においては、機能、スケジュール、コストの3つが重要なパラメータとして知られていますが、DTCはこの中でも特にコストに焦点を当てています。

製品ライフサイクルにおけるDTC

製品ライフサイクルの初期段階、特にコンセプト段階で適切な設計判断を行うことで、後の段階で発生する不必要なコストを回避できます。DTCは、製品開発の全サイクルを通じてコスト管理に必要な対策を講じます。コスト検討は、製品の要求仕様の一部として扱われます。

原価企画との違い

原価企画は、製品の目標原価を設定し、その達成を目指す活動です。一方、DTCは製品が正確に目標コストに到達することよりも、製品開発プロセス全体でコストを設計パラメータとして考慮することを重視します。

Design-to-Value（DTV）との違い

Design-to-Value（DTV）は、顧客に提供できる価値を最大化することに重点を置きます。一方、DTCはメーカーや企業の生産コストの最適化を目指します。DTVは顧客価値、DTCは生産コストに焦点を当てるという点で異なります。

DTCの起源

DTCの概念は、アメリカ国防総省によって開発されました。1971年に発表された通達5000.1「主要国防システムの取得（Acquisition of Major Defense System）」がその始まりとされています。

関連項目

• - ライフサイクルコスト
• - TCO（総保有コスト）

もう一度検索