デショーン・ジャクソン

デショーン・ジャクソン：電光石火のワイドレシーバー、その軌跡

デショーン・ウィリアム・ジャクソン（DeSean William Jackson）は、1986年12月1日、カリフォルニア州ロングビーチで生まれ、アメリカンフットボール界にその名を刻んだ元ワイドレシーバーです。彼のキャリアは、目を見張るようなスピードと卓越したキャッチ能力、そしてパントリターンにおける才能によって彩られています。

高校時代：スターの萌芽

ジャクソンは、後にNFLでチームメイトとなるウィンストン・ジャスティスなど、多くのNFL選手を輩出しているロングビーチポリテクニック高校に進学しました。高校3年生の2004年には、60回のキャッチで1,075ヤードを獲得、15タッチダウンを記録し、チームをカリフォルニア州南部の選手権へと導きました。決勝戦ではディフェンスバックとしても起用され、インターセプトからのタッチダウンも記録するなど、多才ぶりを発揮しました。

2005年のアメリカ陸軍オールアメリカンボウルでは、MVPに選出。ロサンゼルス・タイムズからは、カリフォルニア州南部における最優秀選手に贈られるグレン・デービス賞を受賞しました。また、野球でも才能を発揮し、タンパベイ・レイズやフィラデルフィア・フィリーズからスカウトを受けるほどでした。

大学時代：カリフォルニア大学バークレー校での活躍

ESPNによって全米4位のワイドレシーバーと評価されたジャクソンは、カリフォルニア大学バークレー校に進学。1年目からその才能を発揮し、開幕戦でタッチダウンレシーブとパントリターンタッチダウンを記録しました。2年次には、レシーブで1,060ヤードを獲得、9タッチダウン、パントリターンで4タッチダウンを記録し、パシフィック・テン・カンファレンスのファーストチームに選ばれました。また、ランディ・モス賞（カレッジフットボール最優秀リターナーに贈られる賞）を受賞するなど、数々の栄誉に輝きました。

3年次にはハイズマン賞の有力候補にも挙げられましたが、シーズン中に怪我に悩まされるなど、苦しい時期も経験しました。2008年1月、4年次には進学せず、NFLドラフトへのアーリーエントリーを表明しました。

大学3年間で、彼は162回のキャッチで2,423ヤードを獲得、22タッチダウンレシーブを記録。パントリターンでも通算6回のタッチダウンを記録し、大学だけでなくパシフィック・テン・カンファレンスの記録にもなりました。

NFLキャリア：スピードと才能の開花

2008年のNFLドラフトで、ジャクソンはフィラデルフィア・イーグルスから2巡目（全体49位）で指名を受けました。ルーキーイヤーから先発出場を果たすと、セントルイス・ラムズ戦で6回のキャッチで106ヤードを獲得、パントリターンでも200ヤード越えを達成し、NFLの新人記録を更新しました。この年、彼は新人記録を塗り替える912ヤードを獲得し、チーム記録となる62回のレシーブを記録しました。

2009年には、カロライナ・パンサーズとの開幕戦で85ヤードのパントリターンタッチダウンを記録。ワシントン・レッドスキンズ戦では、67ヤードのランでタッチダウンを挙げるなど、多彩な才能を発揮しました。この年、彼はチームトップの1,167ヤードを獲得し、プロボウルに選出されました。また、パントリターンでNFLトップの平均15.2ヤードを記録し、オールプロのパントリターナーに選ばれました。

2010年には、ダラス・カウボーイズ戦で91ヤードのタッチダウンレシーブを記録。ニューヨーク・ジャイアンツ戦では、決勝点となるパントリターンタッチダウンを挙げ、「新メドウランズの奇跡」と称されました。この年、彼は47回のキャッチで1,056ヤードを獲得、6タッチダウンを記録し、プロボウルに選出されました。

その後、ワシントン・レッドスキンズなどを経て、2023年にフィラデルフィア・イーグルスと1日契約を結び、現役を引退しました。

人物像

ジャクソンは、2人の息子を持つ父親でもあります。また、彼の兄バイロンも元ワイドレシーバーであり、カンザスシティ・チーフスに在籍していました。彼は、NFLが契約しているヘルメットメーカーとは異なるメーカーのヘルメットを着用していることでも知られています。

まとめ

デショーン・ジャクソンは、その卓越したスピードと才能で、アメリカンフットボール界に大きな足跡を残しました。彼のプレーは、多くのファンを魅了し、記憶に残るものでしょう。

もう一度検索