デシル・プロダクション

デシル・プロダクションの歴史と影響

デシル・プロダクション（Desilu Productions）は、1950年にアメリカのエンターテインメント界で重要な役割を果たした制作会社として誕生しました。設立者は有名なコメディアン夫婦、ルシル・ボールとデジ・アーナズです。彼らの名前を合わせて名付けられたこの会社は、数々の人気テレビ番組の製作で知られています。

設立の背景

デシル・プロダクションは、ルシル・ボールが出演していたラジオドラマ『My Favorite Husband』のテレビドラマ化を目的として設立されました。デジ・アーナズとルシル・ボールはこのプロジェクトをCBS（コロンビア・ブロードキャスティング・システム）に売り込み、結果として生まれたのが国民的なヒット作である『アイ・ラブ・ルーシー』です。

最初の数年、デシル・プロダクションは、ハリウッドにあるジェネラル・サービス・スタジオを借りて制作を行っていました。おなじみの『アイ・ラブ・ルーシー』の制作に使用されたステージ2は後に「デシル・プレイハウス」と名付けられ、現在も多くの人々に親しまれています。このスタジオへの入口は、ロメイン通りに改修され、さらに利用者が増えていきました。

代表作とその影響

デシル・プロダクションは、アメリカのテレビ史に名を刻む多くの作品を手がけてきました。特に『アイ・ラブ・ルーシー』以外にも、次のような人気番組が数多く存在します。

• - The Jack Benny Program（CBS; 1950–1964/NBC; 1964–1965）
• - The Danny Thomas Show（ABC; 1953–1957/CBS; 1957–1964）
• - アンタッチャブル（ABC; 1959–1963）
• - 宇宙大作戦（NBC; 1966–1969）
• - スパイ大作戦（CBS; 1966–1973）

これらの番組の中には、デシルが完全に製作、所有したものもありますが、他のプロダクションの手を借りたものもありました。デシルのスタジオで撮影されていたこれらの番組は、多くの視聴者に愛され、テレビのリーダーシップを確立しました。

経営の変遷とその後

デシル・プロダクションは1950年から1960年まで、ルシル・ボールとデジ・アーナズの共同経営により成長しましたが、1960年には2人は離婚し、ルシル・ボールがプロダクションの権利を取得しました。その後、彼女が継続して経営を行い、会社は1967年にGulf and Western Industriesに売却されました。この売却により、デシル・プロダクションはパラマウント・テレビジョンと改名され、多くの以前の作品はCBSテレビジョンスタジオに移管されました。

特に、1950年代から1960年代に制作された作品の著作権は、CBSブロードキャスティング社とその後のCBSテレビジョンスタジオに引き継がれることとなりました。これにより、デシル・プロダクションの名作は今なお多くの人々に観られ、影響を与え続けています。

最後に

デシル・プロダクションは、アメリカのテレビエンターテインメントにおいて、数々の名作を生み出した重要な制作会社です。その独特なスタイルや創造的なアプローチは、今日のテレビ番組にも受け継がれており、多くの視聴者にとって懐かしく、また新たな世代にも影響を与えています。

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