デジ・アーナズ

デジ・アーナズの人生と業績

デジ・アーナズ (Desiderio Arnaz, 1917年3月2日 - 1986年12月2日) は、アメリカで活動した人気のキューバ系俳優、プロデューサー、そして音楽家です。特に、テレヒ・ドラマ『アイ・ラブ・ルーシー』でのリッキー・リカード役で広く知られています。アーナズはラテン音楽バンドの「デジ・アーナズ・オーケストラ」を率いていたことでも有名です。

生い立ち

アーナズはキューバのサンティアーゴ・デ・キューバにて裕福な家庭に生まれ、政治家の父と企業経営者の母を持ちました。子供のころから恵まれた生活を送る一方、1933年の革命により家族は財産を失い、その後アメリカ・フロリダ州に亡命しました。アーナズはマイアミのセント・パトリック・カソリック高等学校に通い、英語を学ぶためにセント・レオ大学に進学しました。

キャリアの始まり

アメリカに渡った後、アーナズは生計を立てるためにショー・ビジネス界に進出します。彼は1939年にブロードウェイ・ミュージカル『Too Many Girls』で主演し、その後この作品の映画化に参加しました。1940年、アーナズは同作品で共演したルシル・ボールと結婚し、以後二人は切っても切れない存在となりました。その間、アーナズはザビア・クガートのバンドでギター演奏も行っていました。

『アイ・ラブ・ルーシー』の成功

1951年には、アーナズとボールが共演したテレビシリーズ『アイ・ラブ・ルーシー』が放送され、アーナズは架空の自分自身であるエンリケ・リカード（愛称リッキー）を演じました。このシリーズは瞬く間に人気を博し、アーナズとボールの夫婦生活がコメディとして描かれることで、多くの視聴者を楽しませました。

デシル・プロダクションの立ち上げ

アーナズはルシル・ボールと共にデシル・プロダクションを設立しました。彼らは撮影手法の革新を行い、観客をスタジオに招待し、複数のカメラを使用して撮影を行いました。この手法は後のシチュエーション・コメディの製作において重要な影響を与えました。またアーナズは、ボールが妊娠した際のエピソードで妊娠をテーマとすることに成功し、テレビ界における社内の常識を覆しました。

結婚生活と離婚

アーナズとボールの結婚は波乱に満ちたもので、浮気や飲酒の問題が次第に二人の関係を悪化させました。1944年には一度離婚が申し立てられるものの、最終的には相互の努力により再び一緒に過ごすことになります。しかし、1960年に二人は正式に離婚しました。離婚後も互いを尊重し続け、友情を保ちながらそれぞれの生活を歩みました。

後年の活動

アーナズは、再婚後もメディア活動を続けました。彼はチャリティイベントや大学講義などにも取り組み、サンディエゴ州立大学ではスタジオ・プロダクションなどの講義を行いました。また、1986年に肺癌と診断されてからも、彼の情熱は失われることはありませんでした。

死

1986年、アーナズは69歳で亡くなりました。彼の最後の日々には、ルシル・ボールとの友情が色濃く残っていました。アーナズは、愛する人との絆や家族の大切さを強く信じ続け、その姿勢は今でも多くの人々に感動を与えています。

受賞歴

アーナズはハリウッド・ウォーク・オブ・フェームや、ニューヨーク州セロロンにあるルシル・ボール・デジ・アーナズ・センター博物館など、数々の名誉を受けています。彼の影響力と功績は、今なお多くの人々に称賛されています。

もう一度検索