デジタル・デビル・ストーリー

デジタル・デビル・ストーリー

『デジタル・デビル・ストーリー』（Digital Devil Story）は、西谷史による伝奇的なSF小説で、1986年に徳間書店から出版されました。この作品は、計算機の中から召喚された悪魔（デジタル・デビル）によって引き起こされる事件と、それに関与する天才プログラマーの戦いを描いています。特に、日本神話からの転生の要素が物語の中で重要な役割を果たしています。

概要

物語は中島朱実という天才的なプログラマーが主人公となり、彼の恋人である白鷺弓子との運命的な愛を中心に展開されます。著作は全3部作と、その続編である『新デジタル・デビル・ストーリー』の6部作から構成されています。初刊の『女神転生』は、開催された翌年にOVA化され、また日本テレネットからアクションゲームとしてもリリースされました。その後、ファミコン用RPGも多機種展開され、現在も続くゲームシリーズ『女神転生シリーズ』として親しまれています。これらの作品は、全部で80万部を超える売り上げを記録しました。

原作者の西谷は、小説作成の背景として自分が以前勤めていた電機メーカーでの経験を語っています。彼は、コンピュータに対する frustrations を抱えた中で、冗談半分に「オンラインで悪魔を送りつけてやろうか」と口にしたことが、コンピュータと悪魔を結びつける発想のきっかけとなったと述べています。これにより、出版社やゲームメーカーからも期待を集める結果となったのです。

シリーズ一覧

デジタル・デビル・ストーリーは、アニメージュ文庫版として1986年から1993年にかけて全9冊が出版されました。以下はその一覧です：

• - デジタル・デビル・ストーリー

- 女神転生
- 魔都の戦士
- 転生の終焉

• - 新デジタル・デビル・ストーリー

- 捕われの女神
- 氷界の女王
- 神魔の惑星
- 怒りの妖帝
- 女神よ永遠に
- 転生の絆

• - 愛蔵版

- 女神転生（全3巻）

ストーリー

デジタル・デビル・ストーリー

物語は1980年代後半、まだインターネットの概念が浸透する前の東京から始まります。主人公の中島朱実は、私立十聖高校の生徒で、美少年でありつつもプログラマーとしての才能を持っていました。彼はコンピュータ理論と魔術理論の類似性を見つけ出し、「悪魔召喚プログラム」の開発に没頭していました。しかし、彼は悪魔を召喚する明確な目的を見出せないままでした。

そんなある日、朱実は過去の恋による恨みで無実の罪に問われ、復讐心に駆られることになります。彼のプログラムを実行する決意が固まり、悪魔ロキを召喚します。ロキの力を借りて朱実は復讐を果たすものの、その行為は彼の運命を大きく変えていくことを彼自身は理解していませんでした。

新デジタル・デビル・ストーリー

続編『新デジタル・デビル・ストーリー』は、朱実や弓子の運命がいかに続いているかを描いています。魔王ルシファーとイザナミ神の戦いから3年後、日本とほぼ全ての国は魔族の支配下に置かれていました。その中で、新たな主人公北明日香が登場し、再び悪魔との戦いに関与します。彼は弓子を救うために秘密組織に参加し、困難な状況に立ち向かうことになります。

登場人物

• - 中島朱実: 主人公であり天才プログラマー。悪魔を召喚し、復讐に走る。
• - 白鷺弓子: 朱実の恋人であり、物語の中心人物。
• - ロキ: コンピュータによって召喚された悪魔。
• - 北明日香: 新シリーズの主人公。弓子を救うために奮闘する。

この作品群は、恋愛、戦い、復讐、神話の要素を巧みに融合させながら、キャラクターたちの成長と葛藤を描き出しています。西谷史が創り出すこのデジタルの世界は、読者に多くの感動と考えさせるテーマを提供しています。

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