デジタル画像:ラスターとベクターの特性と種類
デジタル画像は、コンピュータで扱う2次元
画像のことで、0と1の
デジタル値を用いて表現されます。大きく分けて、ラスターイメージとベクターイメージの2種類が存在します。一般的に「
デジタル画像」と言った場合、ラスターイメージを指すことが多いです。
ラスターイメージ
ラスターイメージは、多数の小さな点である
ピクセルを二次元的に並べて
画像を構成します。各
ピクセルは、輝度や色といった情報を保持しており、これらの情報によって
画像が表示されます。
ラスターイメージは、
デジタルカメラやスキャナといったデバイスで作成される他、
ペイントソフトを用いて手描きで作成することも可能です。数学関数や3次元モデルからの生成も可能で、特に3次元モデルからの生成は3DCGと呼ばれます。
コンピュータ上では、
ピクセルは二次元
配列としてメモリに格納されますが、保存や転送時は圧縮されるのが一般的です。
デジタル画像処理は、ラスターイメージの変換アルゴリズムを研究する分野です。
ラスターイメージの種類
ラスターイメージは、
ピクセルが保持する情報の量や種類によって、以下のように分類されます。
二値画像: 白と黒の2値のみで表現される
画像
グレースケール: 白黒の濃淡で表現される
画像
カラー画像: 赤、緑、青(RGB)などの複数の色で表現される
画像
擬似カラー画像: 可視光線以外の情報(
赤外線など)を色で表現した
画像
マルチスペクトル画像: 可視光線以外の複数の波長の情報を色で表現した
画像(例:衛星
画像)
セマティック画像: マルチスペクトル
画像を、土地被覆などの意味情報に基づいて色分けした
画像
トモグラフィー画像: 断層撮影
画像。複数の
画像から立体を再現する場合は、
ピクセルがボクセルになります。
ラスターイメージのファイルフォーマット
デジタルカメラで一般的に使用されるRAWファイルは、カメラが取得したほぼ全てのデータを保持したファイルフォーマットです。高画質で柔軟な編集が可能ですが、メーカー独自のフォーマットが多く存在し、互換性に課題があります。アドビのDNGは、RAWデータを保存するための標準フォーマットとして提案されています。
JPEG、PNG、GIFなどは、Webブラウザでも閲覧可能な一般的なフォーマットです。
ベクターイメージ
ベクターイメージは、点や線、曲線といった幾何学的要素で
画像を構成します。各要素の位置や形状、色は数値データで記述されるため、拡大しても画質が劣化しません。
ドローソフトなどで作成される他、ラスターイメージを変換して作成することも可能です。
ベクターイメージは、ロゴや図面など、拡大縮小が必要な
画像に適しています。ラスターイメージとベクターイメージを組み合わせた
画像も広く利用されています。例えば、写真にテキストを重ね合わせるなどです。
デジタル画像は、様々なソフトウェアで閲覧できます。Webブラウザは、
JPEG、PNG、GIFなどのラスターイメージ、SVGなどのベクターイメージを閲覧できます。多くの閲覧ソフトには、
スライドショー機能も搭載されています。
関連事項
イメージスキャナ
画像編集ソフト
画像ファイルフォーマット
光学文字認識 (OCR)
信号処理
スクリーンショット
デジタル画像処理
デジタル写真
プリンター
*
DICOM (医療
画像フォーマット)