デス・レース2000年

『デス・レース2000年』は、1975年に公開されたアメリカのカルト映画であり、その過激な内容とブラックユーモアで、公開から30年以上経った今もなお、熱狂的なファンに支持されています。

概要

B級映画の帝王ロジャー・コーマンが製作を務め、カルト映画の奇才ポール・バーテルが監督を務めました。まだブレイクする前のシルヴェスター・スタローンが出演していることでも知られています。彼は、本作では主人公のライバル役を低ギャラで演じています。

物語は、西暦2000年を舞台に、国民的人気を得ている過激なレース「デス・レース」が開催される様子を描いています。ニューヨークからロサンゼルスまでを舞台に、5組のレーサーが、奇抜な武装を施したレーシングカーで死闘を繰り広げます。このレースの最大の特徴は、レース中に一般市民を轢き殺すことでポイントが加算されるという、極めて過激なルールです。このルールと、随所に散りばめられたコミカルなブラックユーモアが、この映画の大きな魅力となっています。

ロジャー・コーマンは、後にシルヴェスター・スタローンが『ロッキー』で大成功を収めた際、その直前に彼が出演した本作がカルト的な人気を博したことについて、「あれは安い買い物だった」と語っています。

あらすじ

西暦2000年、国民的イベントとなった「デス・レース」が今年も開催されます。ニューヨークからロサンゼルスまでの過酷な道のりを舞台に、5組のレーサーたちが、奇抜な改造を施したマシンに乗ってスタート地点に集結します。出場者は、ナチスの恋人と自称するマチルダ、暴君ネロを気取る男が操るライオン号、西部劇風のカラミティ・ジェーンが駆る雄牛号、そしてレースの嫌われ者マシンガン・ジョー（シルヴェスター・スタローン）、そして前回の優勝者であり、人気者のフランケンシュタイン（デヴィッド・キャラダイン）と彼の新しいナビゲーターであるアニー（シモーネ・グリフェス）です。

レースのルールは、一般市民を轢き殺すと、その年齢や性別に応じてポイントが加算されるというものでした。レーサーたちは、ポイントを稼ぐために次々と市民を轢き殺しながら、ゴールを目指します。しかし、誤って主催者側の人間を轢いてしまい、レースは中止かと思われましたが、ポイントは加算されるとの発表があり、レースはさらに泥沼化していきます。一方、レースに反対する反政府組織も、密かに計画を進めていました。

レース中、フランケンシュタインはアニーがレジスタンス組織の一員であることに気づきます。そして、自身も大統領暗殺を企てていることを彼女に告白します。

フランケンシュタインは見事レースに勝利し、セレモニーで大統領と会見します。そして、計画通り大統領暗殺を成功させます。

その後、フランケンシュタインは大統領に就任し、暴力のない新しい国を築くことを宣言します。しかし、デス・レースによって名を上げた彼がそれを掲げることに疑問を持つリポーターもいました。フランケンシュタインは、アニーと共に車に乗り込み、そのリポーターを轢き殺して去っていくのでした。

その他

この映画の内容を模倣したアーケードゲーム『デスレース』が、1978年に日本で摘発されるという事件も起きました。このゲームは、自動車を操作して歩行者を轢き殺すという内容で、映画との共通点が多くありました。

『デス・レース2000年』は、その過激な内容と強烈なブラックユーモアで、今もなお多くのファンを魅了し続けているカルト映画の傑作です。

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