デッカードブラスター

デッカードブラスター (Deckard Blaster)

デッカードブラスターは、リドリー・スコット監督のSF映画『ブレードランナー』（1982年）に登場する架空の銃。これは、主人公リック・デッカードが使用する武器として知られ、「ブレードランナーブラスター」とも称されます。この名称は公式なものではなく、映画のファンや関連商品を通じて広がったものです。

概要

デッカードブラスターは、1982年に上映された映画『ブレードランナー』でハリソン・フォードが演じる主人公リック・デッカードが使用する武器ですが、他の登場人物もこの銃を扱っています。デザインは当初シド・ミードが手掛けましたが、最終的には小道具主任のテリー・E・ルイスが、実銃を改造したプロップを製作することになりました。この銃は制作後長らく行方不明でしたが、1992年と2006年に現物が発見されることで、その詳細が明らかになりました。

名称の由来

デッカードブラスターに関しては公式な命名がされていないため、ファンの間では「デッカードガン」や「デッカードピストル」と呼ばれていました。その後、特に日本では1982年の映画パンフレットにおいて「ブラスター」という名称が用いられたことをきっかけに、この銃は「デッカードブラスター」と名付けられるようになりました。ファンの間では他にも複数の通称が存在し、例えば、作品内の設定年を反映した「M2019ブラスター」や「LAPDブラスター」といった呼称も広がっています。

デザイン

デッカードブラスターのデザインは、元々「ブラックホール・ガン」と呼ばれるコンセプトからスタートしました。リドリー・スコット監督は、従来のSF映画に見られる光線銃のデザインとは異なる全く新しい形を求めていました。シド・ミード版のデザインは未来的でしたが、最終的なプロップは、現実的な拳銃としての外観を持ちつつも独特なデザインを持っています。具体的には、リボルバーの上部にボルトアクションライフルの機関部を結合したデザインとなり、トリガーは前後に配置された「二重トリガー」となっています。

デザインの詳細に関しては、基本となるリボルバー部分にはチャーターアームズの「ブルドッグ」リボルバーが用いられ、ライフル部分にはシュタイヤー・マンリヒャー社製のボルトアクションライフルが使用されています。この組み合わせにより、視覚的には非常に重厚感のある存在が生まれました。

映画『ブレードランナー 2049』での登場

2017年に公開された続編『ブレードランナー2049』では、前作と同形状のブラスターが登場しますが、この銃は公式に「ブラスター」という名称で呼ばれ、映画中で使用されました。続編でも登場することで、その認知度と人気はさらに高まりました。

影響と人気

デッカードブラスターは、SF映画における武器として非常に著名であり、さまざまなメディアにオマージュされることが多いです。その影響力は、ゲームやその他のフィクション作品にも見られ、特に『Fallout』シリーズなどにおいては、デッカードブラスターを仮想化した武器が登場しています。また、テレビ番組やコレクションアイテムとして、モデルガンやレプリカも数多く制作されており、映画ファンだけでなく、模造品制作の愛好家の間でも人気があります。

レプリカ市場

映画の公開後、長い間デッカードブラスターの正確な形状やデザインについて正確な情報は不明確でしたが、最近では多くの専門家やファンによって様々なレプリカが制作されています。特に日本では、ガレージキットとして販売されるモデルも多く存在し、最も精密なレプリカの一部はオリジナルプロップを元に設計されています。特に、留之助商店が製作したレプリカは高評価を受けており、続編の撮影にも採用されるなどしています。

デッカードブラスターという架空の銃器は、単なる映画の小道具にとどまらず、今や世界中のファンやクリエイターたちにとっての象徴ともなり、そのデザインや存在は今後も人々の記憶に残り続けるでしょう。

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