デトロイト・テクノ

デトロイト・テクノとは

デトロイト・テクノは、アメリカ合衆国ミシガン州デトロイトで生まれたテクノ音楽の一つのジャンルです。デトロイト出身のアーティストに共通する特徴を多く含んだテクノの楽曲を指します。

サウンドの特徴

デトロイト・テクノの主な特徴として、以下のような点が挙げられます。

16ビートのシーケンス: リズミカルで複雑なパターンが特徴です。
アナログシンセサイザーとドラムマシンの多用: 温かみのあるサウンドが特徴です。デジタルシンセサイザーでエミュレートされたサウンドも使用されます。
ストリングス・パッド系音色の多用: 楽曲に深みと広がりを与えます。
ノンヴォーカル: 歌詞がなく、インストゥルメンタルであることが多いです。

シカゴ・ハウスを起源としながらも、よりシリアスで複雑なリズムパターンを持つ楽曲が多いのが特徴です。

歴史

1980年代中期、ホアン・アトキンス、デリック・メイ、ケビン・サンダーソンといったデトロイトのDJやプロデューサーたちが、デトロイト・テクノの創始者として知られています。

彼らはシカゴ・ハウスを独自に解釈し、新たな音楽を生み出しました。その音楽を「デトロイト・テクノ」と呼ぶようになったのは、欧米のジャーナリストが彼らの音楽を何と呼ぶのか尋ねた際、ホアン・アトキンスが「We Call It Techno」と答えたことがきっかけだったと言われています。

代表的なアーティスト

デトロイト・テクノを代表するアーティストは数多く存在します。

ホアン・アトキンス
デリック・メイ
ケビン・サンダーソン
カール・クレイグ
エディー・フォークス
マイク・バンクス
ジェフ・ミルズ
ブレイク・バクスター
アンソニー・シェイカー
ロバート・フッド
ジェームズ・ペニントン
オクタヴ・ワン
ケニー・ラーキン
アラン・オールダム
クロード・ヤング
ドレクシヤ
DJ ロランド
ムーディーマン
リッチー・ホゥティン

デトロイト出身ではないものの、デトロイト・テクノに影響を受けたアーティストも存在します。

ダン・カーティン
Orlando Voorn
Aril Brikha
Joris Voorn
Deetron
Ian O'brien
Fabrice Lig
Sub Human Bros

代表的なレーベル

デトロイト・テクノの発展に貢献した代表的なレーベルとしては、以下のようなものが挙げられます。

アンダーグラウンド・レジスタンス (Underground Resistance)
430 West
トランスマット (Transmat)
KMS
メトロプレックス (Metroplex)
Planet E
axis

これらのレーベルから数多くの名曲が生まれ、デトロイト・テクノのサウンドを世界に広めました。

まとめ

デトロイト・テクノは、デトロイトのアーティストたちが生み出した革新的なテクノ音楽です。その独特なサウンドとリズムは、世界中の音楽シーンに大きな影響を与え続けています。デトロイト・テクノの歴史とサウンドに触れることで、テクノ音楽の奥深さをより深く理解することができるでしょう。

参考文献

『ブラック・マシン・ミュージック：ディスコ、ハウス、デトロイト・テクノ』野田努著、河出書房新社、2017年5月、ISBN 978-4-309-27846-9
『J・ディラと《ドーナツ》のビート革命』ジョーダン・ファーガソン著、吉田雅史訳・解説、DU BOOKS、2018年8月、ISBN 978-4-86647-032-0

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