デノミナシオン・デ・オリヘン

デノミナシオン・デ・オリヘン（DO）：スペインの原産地呼称制度を徹底解説

デノミナシオン・デ・オリヘン（Denominación de Origen、略称DO）は、スペインの食料品に与えられる原産地呼称制度です。ワインが特に有名ですが、チーズ、蜂蜜、オリーブオイル、香辛料、シードラなど、様々な食品に適用されています。

DOの歴史

DO制度は、小作農がワインを安く買い叩かれる状況を打開するために生まれました。1926年にリオハ原産地呼称統制委員会が設立されたのを皮切りに、各地で自主的な統制委員会が設立。1932年にはワイン法が制定され、これらの委員会を統括するようになりました。

1970年代にはワイン法が改正され、原産地呼称庁（現 品質呼称局）が設立。DO制度が確立しました。品質呼称局は、ブドウの栽培面積、地域、品種、植樹密度、収穫量、灌漑規制、ワインの収量、醸造法、アルコール度数、官能試飲検査など、厳しい基準を定めています。

1988年には、DOの上位カテゴリーである特選原産地呼称（DOCまたはDOCa）が制定され、1991年にリオハ、2003年にプリオラートが認定されました。

原産地呼称制度の種類

DO制度は、品質や地域特性に応じて複数のカテゴリーに分かれています。

[保護原産地呼称]

1. 畑限定原産地呼称（ビノ・デ・パゴ、VP）: 特定の畑から生産される高品質ワイン。DOCやDOに認定されていない地域でも認定される可能性があります。
2. 特選原産地呼称（デノミナシオン・デ・オリヘン・カリフィカーダ、DOCまたはDOCa）: DOワインの中でも特に高品質なワイン。イタリアのDOCGに相当します。
3. 原産地呼称（デノミナシオン・デ・オリヘン、DO）: 厳しい基準に基づいて生産されたワイン。スペインの高級ワインの中心的なカテゴリーです。
4. 地域名称付き（ビノ・デ・カリダ・コン・インディカシオン・ヘオグラフィカ、VCIG）: 特定の地域で収穫・醸造・熟成されたワイン。

保護地理的表示(IGP)

5. ビノ・デ・ラ・ティエラ(VdIT): 地方ワインまたはカントリーワイン。フランスのヴァン・ド・ペイに相当します。
6. ビニェードス・デ・エスパーニャ: 安価な輸入ワインと区別するために制定されたカテゴリー。
7. ビノ・デ・メサ: テーブルワイン。格付けされていない畑のワインや、異なる地域のワインを混ぜて製造したワインです。フランスのヴァン・ド・ターブルに相当します。

まとめ

DO制度は、スペインの食料品の品質を保証し、地域特性を保護するための重要な制度です。特にワインにおいては、DOのカテゴリーを理解することで、より深くスペインワインの魅力を知ることができます。DOワインを選ぶ際には、ぜひ本稿で紹介した情報を参考にしてみてください。

スペインワインを選ぶことは、その土地の文化や歴史に触れることでもあります。DO制度を通じて、スペインの豊かな食文化を堪能してください。

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