デヒドロエピアンドロステロン

デヒドロエピアンドロステロン（DHEA）について

デヒドロエピアンドロステロン（DHEA）は、副腎や性腺で生産される重要な男性ホルモンの一種です。このホルモンは、アンドロゲン活性がテストステロンの約5%とされていますが、成人女性においては、アンドロステンジオンとともに主要なアンドロゲンとしての役割を果たしています。

DHEAと前立腺癌

昭和の時代には、前立腺癌の増殖が男性ホルモン中で最も強力な生理活性を持つテストステロンによって促進されると考えられていました。しかし、1993年以降の研究では、前立腺細胞内に存在する男性ホルモンの約15%がDHEAであるとされるようになり、2006年版の前立腺癌診療ガイドラインではその割合が40%に達すると記されています。このため、もし泌尿器科医が前立腺癌を否定している壮年男性がDHEAサプリメントを服用した場合、潜在的な癌細胞の増殖を促進するリスクが懸念されています。

DHEAの生成

DHEAはテストステロンやエストラジオールと同じく性ステロイドホルモンに分類されており、体内ではコレステロールを基に合成されます。これにより、体はこのホルモンを必要に応じて生成することが可能です。

DHEAの効果

DHEAは「若返りホルモン」と呼ばれ、老化プロセスを遅らせたり止めたり、さらには逆転させる効果があると考えられており、最近ではサプリメントとしても人気を集めています。特に、次のような症状に対して効果が期待されています:

• - 副腎疲労
• - 循環器病
• - 糖尿病
• - 高コレステロール症
• - 肥満
• - 合併性硬化症
• - パーキンソン病
• - アルツハイマー病
• - 免疫不全症
• - うつ病
• - 骨粗鬆症

ただし、DHEAの服用は原則として医師の処方が必要であり、自分自身での使用は推奨されていません。医師の指導のもとで適切に利用することが重要です。

まとめ

DHEAは、副腎で生成されるホルモンであり、サプリメントとしての利用が広がっていますが、その効果や副作用については十分な研究がなされていない部分もあります。したがって、特に前立腺癌のリスクがある方は、慎重に取り扱う必要があるでしょう。今後の研究によって、このホルモンの正しい使い方やその効果が明らかになることを期待しています。

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