デビルズライン

デビルズライン:人と鬼の共存、そして愛憎劇



『デビルズライン』は、花田陵氏による人気漫画作品です。2013年から2019年にかけて『月刊モーニングtwo』で連載され、その後、続編『デビルズラインII[逆襲]』が2022年から同誌で連載されています。略称は「デビライ」や「デビズラ」など、親しまれる呼び名も存在します。

物語の舞台は現代日本。人間社会に静かに暮らす「鬼」と呼ばれる吸血種族の存在が、物語の根底を成しています。主人公は、人と鬼のハーフである警視庁公安五課所属の安斎結貴。彼は鬼の犯罪を取り締まる傍ら、大学院生の平つかさと出会い、惹かれ合うようになります。

しかし、彼らの出会いは、運命の歯車を狂わせるきっかけとなります。鬼の抹殺を企む謎の組織「CCC」の陰謀に巻き込まれ、2人は過酷な運命に立ち向かうことになります。

物語は、安斎結貴の葛藤と成長が中心です。彼は、鬼である父と、人間である母との間に生まれたハーフとして、複雑なアイデンティティを抱えています。幼少期から吸血欲に乏しかったため、監視下で育ち、鬼への嫌悪感と、自身の吸血衝動との間で苦悩します。つかさとの出会いは、彼自身の心の変化、そして鬼への認識を変えるきっかけとなります。

つかさは、鬼への抵抗感が少なく、安斎を優しく支えるヒロインです。彼女の献身的な愛情は、安斎の心を癒し、成長を促します。2人の恋愛は、物語全体を彩る重要な要素であり、時に困難に直面しながらも、深い絆で結ばれていきます。

警視庁公安五課F班は、安斎結貴が所属するチームです。個性豊かなメンバーが集まり、鬼に関する事件の捜査に当たります。しかし、彼らもまた、CCCの陰謀や、世間の鬼への偏見という困難に直面します。F班のメンバー同士の信頼関係や、葛藤、そしてそれぞれの過去が丁寧に描かれ、物語に深みを与えています。

「CCC」は、物語における最大の敵対勢力です。鬼の絶滅を目論む組織で、警察や政府関係者までもが関与しているなど、その規模は大きく、影響力は絶大です。CCCのメンバー一人ひとりは、複雑な過去や動機を持ち、単なる悪役とは言い切れない人間像が描かれています。

『デビルズライン』の魅力は、多様な登場人物と、彼らの複雑な人間関係にあります。鬼と人間の共存、愛と憎しみ、葛藤と成長、様々なテーマが絡み合い、読者を惹きつけて放しません。

続編『デビルズラインII[逆襲]』では、安斎結貴と平つかさの物語はさらに展開し、新たな敵や、過去の謎が明らかになっていきます。 シリーズを通して、鬼と人間の共存というテーマがより深く掘り下げられ、読者に考えさせられる内容となっています。

2017年には「みんなが選ぶTSUTAYAコミック大賞2017」ネクストブレイク部門で2位にランクインし、2022年1月時点で電子版を含む累計発行部数は280万部を突破するなど、高い人気を誇っています。2018年にはアニメ化もされ、原作の世界観がアニメーションという形で表現されています。アニメ版では、豪華声優陣による熱演も見どころの一つです。

『デビルズライン』は、魅力的なキャラクター、緻密な世界観、そして考えさせられるテーマが凝縮された、傑作漫画と言えるでしょう。

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