デュッセルドルフ美術アカデミー

クンストアカデミー・デュッセルドルフ（Kunstakademie Düsseldorf）

クンストアカデミー・デュッセルドルフは、ドイツ・ノルトライン＝ヴェストファーレン州の州都、デュッセルドルフに位置する国立の美術大学です。日本語では「国立デュッセルドルフ美術大学」とも呼ばれています。この美術アカデミーは、その長い歴史の中で、多くの重要な芸術家を育成し、美術界に大きな影響を与えてきました。

歴史

その起源は1762年頃に、貴族の庇護を受けていた画家ラムベルト・クラーエによって設立された絵画学校に遡ります。1773年には「プファルツ選帝侯領絵画、彫刻、建築アカデミー」として正式に発足しました。その後、1800年頃には「デュッセルドルフ美術アカデミー」と改称されました。設立者のクラーエの後を継いだヨハン・ペーター・フォン・ランガーの時代には、ナポレオン戦争による混乱で、一時的に活動が停滞しました。

1810年代には、ラインラント全域がプロイセン王国の支配下に入りました。1824年、当時の校長であったペーター・フォン・コルネリウスは、多くの学生とともにミュンヘン美術院へと移りました。この後任として、ベルリンの美術学校で教鞭をとっていたフリードリッヒ・ヴィルヘルム・フォン・シャドーが校長に就任しました。

1850年代には、風景画や風俗画の教育が高く評価されるようになり、多くの外国人留学生を受け入れました。1820年代から第一次世界大戦までの間、このアカデミーで学んだ芸術家たちは「デュッセルドルフ派」と呼ばれることもあります。この時期の教育は、ヨーロッパにおける美術教育に大きな影響を与えました。

現代美術への影響

クンストアカデミー・デュッセルドルフは、現代美術においても重要な役割を果たしています。ヨーゼフ・ボイス、ナム・ジュン・パイク、ベッヒャー夫妻（ベルント＆ヒラ・ベッヒャー）、ゲルハルト・リヒターといった、現代美術を代表する芸術家たちが、教授や学生としてこの学校に在籍していました。これらの芸術家たちは、それぞれの分野で革新的な活動を行い、現代美術の潮流を形成する上で重要な役割を果たしました。

また、フルクサスの活動が盛んであったことでも知られています。フルクサスは、1960年代に興った国際的な芸術運動であり、既存の芸術概念を問い直し、パフォーマンス、音楽、映像など、多様な表現形式を取り入れました。

クンストアカデミー・デュッセルドルフは、その長い歴史の中で、美術教育の場としてだけでなく、現代美術の革新的な活動の中心地としての役割も果たし続けています。その影響は、世界中の美術界に及んでおり、今もなお多くの芸術家を育成し続けています。

関連する人物

歴代校長（一部）
ラムベルト・クラーエ
ヨハン・ペーター・フォン・ランガー
ペーター・フォン・コルネリウス
フリードリッヒ・ヴィルヘルム・フォン・シャドー

主な教授・卒業生（一部）
ヨーゼフ・ボイス
ナム・ジュン・パイク
ベルント＆ヒラ・ベッヒャー
ゲルハルト・リヒター

外部リンク

クンストアカデミーデュッセルドルフ
（入学に関してなどの情報がまとめて載っている日本語記述のサイト）
Seite der Kunstakademie Duesseldorf

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