デュンケル

デュンケル (Dunkelbier)

デュンケル、またはドゥンケル（ドイツ語: Dunkelbier、ドイツ語: Dunkles）は、ドイツ発祥のビアスタイルの一つです。特に南ドイツで親しまれている、濃色で奥深い味わいが特徴のビールです。

概要

ドイツ語で「Dunkel」（ドゥンケル）は「暗い」を意味し、その名の通り、褐色がかった濃い色合いが特徴です。18世紀に淡色のピルスナーが登場するまで、濃色ビールが主流だったため、単にデュンケルという場合は、バイエルン地方のダークビール全般を指すことがあります。

ミュンヒナーデュンケル (Münchner Dunkel)

ミュンヘンで作られる伝統的な下面発酵ビールです。麦芽の甘み、ホップの苦味、そして軽快な口当たりのバランスが取れているのが特徴です。

『ビアスタイル・ガイドライン1208』では、ヨーロピアンスタイル・ダーク、ミュンヒナー・デュンケルとして以下のように定義されています。

色合い: ライトブラウンからダークブラウン
風味: ホップの苦味よりもモルトの風味が際立つ
特徴: ミュンヘン・ダークモルト由来のチョコレート、トースト、ビスケットのような香り
アルコール度数: 4.5%から5%
IBU (苦味指数): 16から25
SRM (比色値): 15から20

デュンケルヴァイツェン (Dunkelweizen)

小麦を主原料とする上面発酵ビールで、ローストした麦芽を使用するのが特徴です。製品には酵母が含まれているため、製造者はラベルに「酵母を混ぜてからグラスに注ぐ」または「酵母を混ぜずに上澄みだけを注ぐ」という指示を明記する必要があります。

『ビアスタイル・ガイドライン1208』では、デュンケルヴァイツェンを以下のように定義しています。

色合い: カッパーブラウンからダークブラウン
風味: ホップの苦味よりもモルトの風味が際立つ
特徴: ロースト麦芽由来の麦芽の甘みとチョコレートのような香り
アルコール度数: 4.8%から5.4%
IBU: 10から15
SRM: 10から19

ダブル・デュンケル、トリプル・デュンケル

通常のデュンケルよりもアルコール度数が高いものを指します。味、香り、色合いといった特徴が維持され、かつ高アルコール分がそれらの特徴と調和しているものが、ダブル・デュンケル、トリプル・デュンケルと呼ばれます。

ダブル・デュンケル・ヴァイツェンの中には、アルコール度数が7%を超えるものも存在します。

デュンケルは、その多様なスタイルと奥深い味わいから、世界中のビール愛好家を魅了し続けています。

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