デューク・レコード

デューク・レコードの概要

デューク・レコード（Duke Records）は、1952年にアメリカ合衆国で設立されたブルースおよびR&B系のレコードレーベルです。このレーベルは、メンフィスでラジオ局WDIAの番組ディレクターを務めていたデヴィッド・マティスによって設立されました。デューク・レコードは、ブルースの名曲やR&Bのヒット曲を数多くリリースし、その後数十年にわたり音楽業界で重要な役割を果たしました。

設立と初期の歴史

デューク・レコードの最初のリリースは、設立当年に登場したロスコー・ゴードンのシングル「Hey Fat Girl」でした。このシングルは、業界におけるデューク・レコードの存在感を示すものであり、以降の成功へとつながるスタートとなりました。さらに同年、デューク・レコードはボビー・ブランドと契約し、彼がレーベルの主要アーティストとなることが予感されました。

設立後の1952年8月には、ヒューストンのピーコック・レコードのオーナーであるドン・ロビーが出資し、共同経営者として加わります。翌年の4月には、ロビーがデューク・レコードの経営権を手中に収め、レーベルの事務所はヒューストンに移されました。このように、デューク・レコードはピーコック・レコードと同じ経営者による管理のもと、同一オフィスで並立して運営されましたが、形式的には異なるレーベルとして存在し続けました。

扱ったアーティスト

デューク・レコードが手掛けたアーティストには、ボビー・ブランドやロスコー・ゴードン、フェントン・ロビンソン、ラリー・デイヴィス、ジョニー・エイス、オーティス・ラッシュなどが含まれており、これらのアーティストはそれぞれ独自のスタイルで音楽シーンに影響を与えました。特に、ボビー・ブランドはレーベル最大のスターとして名を馳せ、多くのファンを獲得しました。

1957年には、デューク・レコードの傘下にソウル系レーベルのバックビート・レコードが設立され、O.V.ライトなどのアーティストが新たな作品を発表する場となりました。

経営権と変遷

1973年に、ドン・ロビーはデューク・レコードとピーコック・レコードをABC-ダンヒル・レコードに売却し、経営から撤退しました。これにより、デューク・レコードとしての活動は終了し、新たなレーベルとしての展開はありませんでした。現在、デューク・レコードに関する音源はユニバーサル・ミュージックが所有しており、過去の名曲たちの影響は今でも色あせることがありません。

デューク・レコードは、その創立から数十年にわたり、アメリカの音楽シーンにおいて重要な役割を果たし、今なお多くの音楽ファンに親しまれています。このレーベルがもたらした影響は、今後も音楽の歴史の中で語り継がれることでしょう。

もう一度検索