デルタ航空博物館

デルタ航空博物館は、アメリカ合衆国ジョージア州アトランタのハーツフィールド・ジャクソン・アトランタ国際空港に隣接する、デルタ航空が運営する航空博物館です。1995年にデルタ航空の本社施設の一部として設立され、デルタ航空の歴史と民間航空産業の発展を、様々な展示物を通じて紹介しています。

概要

博物館は、かつてジェットベースとして知られていたデルタ航空の整備施設内にあります。1960年代まで使用されていた2つの格納庫を利用しており、歴史的な雰囲気の中で展示を楽しむことができます。非営利団体として運営されており、ボランティアや寄付、イベントの開催、ミュージアムショップの収益によって支えられています。博物館は常に新しい展示物を収集しており、そのコレクションは年間を通じて変化しています。2014年6月には一般公開され、それ以前はデルタ航空の従業員や関係者のみがアクセス可能でした。

展示機材

博物館には、デルタ航空およびノースウエスト航空で使用されていた様々な航空機が展示されています。展示は「ヒストリックハンガー1」「ヒストリックハンガー2」、そして屋外展示の3つのエリアに分かれています。

ヒストリックハンガー1

ダグラス DC-3: 従業員とボランティアによって修復された機体で、デルタ航空の歴史を象徴する1機です。
トラベルエアー 6Bセダン: 1929年にデルタ航空が初めて旅客便に使用した機体に近いモデルで、初期の航空機の姿を伝えます。

ヒストリックハンガー2

ボーイング 767-232: 「ザ・スピリット・オブ・デルタ」の愛称で親しまれた機体で、従業員が資金を出し合って購入したというエピソードを持っています。2006年に退役後、博物館に寄贈されました。
コンベア 880プロトタイプ: コックピット部分をカットした状態で展示されており、内部構造を見学することができます。
ロッキード L-1011試作機: こちらもコックピット部分をカットした状態で展示されています。
ボーイング737-200: フライトシミュレーターも設置されており、操縦体験をすることができます。

屋外展示

マクドネル・ダグラス DC-9: ノースウエスト航空から移籍した機体で、かつての塗装をそのまま残しています。
ボーイング 757-232: 1985年に就航し、2013年に退役した機体を買い戻して寄贈したもので、歴史的な価値があります。
* ボーイング 747-451: -400シリーズの試作機として製造され、ノースウエスト航空に納入された機体です。2015年に退役後、博物館に移設されました。機内を見学できる「747エクスペリエンス」として公開されています。

747エクスペリエンス

ボーイング747-451は、26年間の営業運航を終えた後、2017年3月28日に「747エクスペリエンス」として一般公開されました。この機体は、2002年に発生したノースウエスト航空85便の緊急着陸事故の当該機でもあり、無事に緊急着陸を果たした歴史を持っています。オープニングセレモニーには、当時の運航乗務員も参加し、話題を呼びました。

デルタ航空博物館は、航空ファンだけでなく、一般の方も楽しめる魅力的な施設です。航空機の歴史や技術、そしてデルタ航空の歩みを体感できる場所として、多くの人に親しまれています。博物館のウェブサイトでは、展示の詳細やイベント情報を確認できます。

デルタ航空博物館 （英語）
Boeing 747-400 - デルタ航空博物館
The Airloom Project - 事故機を使用した博物館での展示計画

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