デルタ2000

デルタ2000型ロケットについて

デルタ2000型（英: Delta 2000 series）は、1974年から1981年までの間にアメリカ合衆国で使用された打ち上げロケットシステムです。このロケットは、44回の打ち上げを行い、うち43回は成功という高い成功率を誇っています。デルタシリーズの一部を成すこのモデルは、様々な派生型が存在し、4桁の数値コードで表されます。

概要と設計

デルタ2000型は、アポロ計画の第1段と第2段エンジンの余剰部分を活用したロケットエンジンで設計されています。特に、デルタ1000、2000、3000型のロケットは、アポロ計画に由来するこの特徴を持っています。

このロケットの初段は、拡張型タンクを用いたソロケットであり、従来のMB-3-IIIを置き換える形で導入されました。初段エンジンには、Saturn IBで使用されていたH-1エンジンを基にしたRS-27エンジンが搭載されており、ロケットダイン製の製品です。このエンジンは、高い推進力を得るために、3機から9機のキャスター2型固体ロケットブースターを取り付けることで改良されています。

デルタ2000型の第2段エンジンには、TRW製のTR-201エンジンが使用されています。このエンジンは、本来は月着陸船用の下降エンジンを固定噴進出力用に再設計したものです。また、より高い軌道に達する必要がある場合には、遠地点キックモーターとしてサイコオール製のスター37D型とE型を上段として利用します。

打ち上げとその成果

デルタ2000型の打ち上げは、主にヴァンデンバーグ空軍基地の第2発射施設やケープカナベラル空軍基地の第17発射施設A・Bから行われました。44回の打ち上げのなかで高い成功率を示した結果、デルタ2000型は信頼性のある打ち上げロケットとしての評判を得ました。

ただし、唯一の失敗は1974年1月19日に発生しました。この初飛行では、軍事通信衛星「スカイネット2A」を利用不可能な軌道へ投入してしまいました。失敗の原因は、第2段の電子パッケージの回路基板が短絡したために、上段と衛星が不安定な低軌道に投げ出され、急速に軌道が減衰してしまったというものでした。解析の結果、基板には標準以下のコーティングが施されていたことが判明しました。

結論

デルタ2000型ロケットは、1970年代後半の宇宙開発において重要な役割を果たしました。その設計の先進性と高い成功率は、将来のロケットシステムの開発においても大いに寄与しました。今後の宇宙探査の進展において、デルタシリーズが刻んだ歴史は忘れられないものとなるでしょう。

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