デルフィニジン

デルフィニジンは、植物界に広く存在するアントシアニジン系の色素の一種であり、野菜や果物の美しい色彩に貢献しています。スミレやデルフィニウムの青色、カベルネ・ソーヴィニヨンのブドウの赤紫色など、その存在は多岐にわたります。また、クランベリー、コンコードグレープ、ザクロなどにも含まれています。

デルフィニジンの特徴

色素としての役割: デルフィニジンは、花や果実の鮮やかな色合いを作り出す主要な色素成分です。特に青色から紫色の発色に関与し、植物の見た目を美しく彩ります。
抗酸化作用: デルフィニジンは、植物体内で抗酸化物質として機能し、有害な活性酸素から細胞を保護する役割を果たします。
pH応答性: デルフィニジンは、溶液のpHによって色調が変化する性質を持っています。塩基性条件下では青色を呈し、酸性条件下では赤色に変化します。この性質は、食品の着色やpH指示薬などに応用されています。

デルフィニジンの配糖体

デルフィニジンは、糖と結合した配糖体として植物中に存在することがあります。以下に代表的な配糖体の例を挙げます。

ビオルデルフィン: トリカブトの花弁の青紫色色素であり、デルフィニジンにルチノースと特殊なグルコシドが結合した複雑な構造を持ちます。
ミルチリン: クロスグリのポマースに含まれるデルフィニジン-3-O-グルコシドです。
ツリパニン: クロスグリのポマースに含まれるデルフィニジン-3-O-ルチノシドです。

関連化合物

* プロデルフィニジン: デルフィニジンを構成単位とする重合体であり、植物に含まれるポリフェノールの一種です。

デルフィニジンは、植物の色素としてだけでなく、抗酸化物質としても重要な役割を担っています。そのpH応答性や配糖体の多様性も、興味深い特徴と言えるでしょう。

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