デルフィーヌ・ペルスーン

デルフィーヌ・ペルスーン：鉄拳の鉄道警察官

デルフィーヌ・ペルスーンは、ベルギー・モールスレーデ出身の女子プロボクサーです。普段は鉄道警察官として勤務する彼女は、6歳から姉の影響で柔道を始め、国際大会でも上位に名を連ねるほどの実力者でした。しかし、負傷により柔道を断念せざるを得なくなります。

高校卒業後、警察学校に進学。そこで警察官としての訓練の一環として取り組んだ格闘技が、彼女をボクシングの世界へと導きました。警察学校卒業後、ボクシングジムに通い始め、2008年から2009年にかけてアマチュアとして20戦無敗、ベルギー選手権優勝という輝かしい成績を残します。

2009年5月、プロデビューを果たし、デビュー戦をKO勝利で飾ります。その後も連勝を重ね、2戦目では後のWBC女子世界フライ級王者レナータ・セベレディを破るなど、才能を爆発させました。9連勝を達成したものの、Zelda Tekin戦で反則負けを喫し、初黒星を経験。しかし、すぐに再戦で勝利を収め、その後も勝利を重ねていきます。

2011年3月、Nicole Bossとの試合でEBU女子ライト級王座を獲得。初タイトルを獲得すると、その後もノンタイトルマッチで連勝を重ね、EBU王座防衛にも成功します。2012年には、Lucia MorelliからWIBF世界ライト級王座を奪取し、世界王者に。さらに同年、エリン・マクガワンとの試合で初代IBF女子世界ライト級王座を獲得、WIBF王座と合わせて2冠を達成しました。

その後も快進撃は続き、WIBA世界ライト級王座、そして2014年にはエリカ・ファリアスを破り、WBC女子世界ライト級王座を獲得、4冠を達成します。WBC王座では複数回の防衛に成功しますが、2019年6月、ケイティー・テイラーとの統一戦で敗れ、王座から陥落します。

プロボクサーとしての活躍だけでなく、彼女は東京五輪出場を目指し、2020年3月のヨーロッパ予選に出場しました。しかし、1回戦で敗れ、五輪出場は叶いませんでした。

2024年9月27日には、WBA・WBC・IBF・WBO女子世界スーパーフェザー級タイトルマッチでアリシア・バウムガードナーに挑戦。試合は4回終盤に偶然のバッティングによりペルスーンが負傷し、ドクターストップで無効試合という結果に終わりました。この試合は当初、バウムガードナーの過去のドーピング問題の影響でWBC王座のみを懸けたものになる予定でしたが、直前に他団体もタイトルマッチを承認したことで4団体王座を懸けた大一番となりました。

警察官としての職務と並行しながら、世界最高峰の舞台で戦い続けたペルスーン。数々のタイトルを獲得し、幾多の困難を乗り越えてきた彼女のキャリアは、ボクシング界、そして多くの人の心に深く刻まれています。彼女の戦いは、これからも多くの人々に勇気を与え続けるでしょう。

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