フライ級

フライ級について

フライ級（フライきゅう）は、さまざまな格闘技の中で定義されている軽量級の一つで、主にボクシングや総合格闘技、ムエタイ、レスリングなどで幅広く用いられています。その名は「フライ」（蝿）に由来しており、非常に軽い体重範囲を意味しています。

ボクシングにおけるフライ級

プロボクシングのフライ級では、契約ウェイトが108ポンドから112ポンド（約48.988kgから50.802kg）に設定されています。この階級はすべての階級の中で3番目に軽く、ライトフライ級とスーパーフライ級の間に位置しています。アマチュアボクシングでは、男子は49kgから52kg、女子は48kgから51kgとなっています。

フライ級の初代世界王者には、イギリス出身のトーマス・ペドラー・パーマーがいます。1952年に白井義男がこの階級で日本初のプロボクシング世界チャンピオンとなりました。2020年現在、フライ級は日本のジムから最多で20名の男子世界チャンピオンを輩出しており、女子でも2013年に真道ゴーが世界の座に座りました。

アマチュアの場面でも、フライ級は特に日本選手の輝かしい成績が目立つ階級です。田辺清は1960年ローマオリンピックで日本初のオリンピックボクシング銅メダルをこの階級で獲得し、その後プロボクシングでも国内タイトルを獲得しました。さらに、石井幸喜も1978年にこの階級で日本人初の世界選手権メダルを獲得しています。

この階級には世界王座の連続防衛記録があり、タイのポンサクレック・ウォンジョンカムはWBCで17度の防衛を果たしました。女子選手においても、スージー・ケンティキアンとマリアナ・フアレスがそれぞれ14度防衛しています。日本では、勇利アルバチャコフが9度の防衛記録を保持しており、女子部門では真道ゴーと藤岡奈穂子が2度の防衛を達成しています。

総合格闘技におけるフライ級

総合格闘技におけるフライ級は、115ポンドから125ポンド（約52.163kgから56.699kg）の範囲で定められています。この階級はストロー級とバンタム級の間に位置し、全14階級中2番目に軽い階級にあたります。ネバダ州アスレチック・コミッションやボクシング・コミッション協会によって規定されています。

ムエタイにおけるフライ級

ムエタイでもフライ級の契約ウェイトは108ポンドから112ポンド（48.988kgから50.802kg）で、ボクシングとほぼ同様の体重範囲で設定されています。この階級は全19階級中3番目に軽く、世界ムエタイ評議会によって規定されています。

レスリングにおけるフライ級

レスリングにおいて以前「フライ級」と呼ばれていた階級は、現在では54kg級に名称が変更され、廃止されています。ただし、女子の競技では現在も48kg級をフライ級と呼ぶことがあります。

結論

フライ級は格闘技の中でも特に多才な選手層を誇る階級であり、日本でも多くの名選手がこの階級で活躍してきました。今後も新たな才能がこのフライ級から出現することが期待されます。

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