デロリアン (タイムマシン)

デロリアン：タイムマシン解説

映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズでタイムマシンとして活躍するデロリアン。正式名称は「デロリアンDMC-12」。エメット・ブラウン博士、通称ドクが愛車を改造したタイムマシンです。

開発の経緯

ドクは、ステンレスボディがタイムマシンに適していることと、そのスタイリッシュな外観からデロリアンを選びました。映画では、1985年10月26日に最初のタイムトラベルに成功、翌日には大破してしまいます。しかし、デロリアン自体は70年以上存在しており、その大半は1885年から1955年まで廃坑に隠されていました。1955年11月12日には、最大4台のデロリアンが存在していたという状況も生まれています。

タイムトラベルの仕組み

デロリアンが時速88マイル（約141km/h）に達すると、次元転移装置に1.21ジゴワットの電力供給が行われます。これにより、タイムサーキットに設定された日時へタイムトラベルが可能になります。しかし、出現地点は移動前の場所と変わらないため、過去や未来に障害物があると衝突する危険性がありました。

加速には長い直線が必要でしたが、2015年の技術で飛行機能が追加され、空中でのタイムトラベルも可能になりました。タイムトラベル時には閃光と炎のタイヤ跡が発生。車体は極低温に冷やされますが、2015年の改造で氷の付着は軽減されました。

初期の脚本ではタイムマシンは冷蔵庫でしたが、予算の都合で変更。自走可能な方がストーリー展開に有利な点と、当時話題だったデロリアン社のスキャンダルが宣伝になると考えられ、デロリアンが採用されました。

装備

次元転移装置

タイムトラベルに不可欠な装置。Y字型のチューブが特徴で、1.21ジゴワットの電力で作動します。ドクが1955年に着想を得て、30年かけて完成させました。

タイムサーキット

目的時刻、現在時刻、前回の出発時刻を表示する時刻設定回路。マイクロチップで制御されていましたが、落雷で故障した後は真空管を用いた大型装置に交換されました。

電源供給装置

原子炉

プルトニウムを燃料とする原子炉。放射線遮蔽のために鉛の内張りがあり、冷却装置から蒸気を放出します。燃料残量はグローブボックス内の計器で確認でき、燃料切れになると警告灯が点滅します。

電線とフック

1955年でプルトニウムが手に入らない際に使用。落雷のエネルギーを次元転移装置に供給します。

ミスター・フュージョン

家庭ごみを燃料とする核融合炉。2015年の改造で搭載され、プルトニウムが不要になりました。バナナの皮やビールなどを投入することで、1.21ジゴワットの電力を生成します。

ホバー・コンバージョン

2015年の技術で追加された飛行機能。ガソリンを燃料とします。

ナンバープレート

当初は「OUTATIME」でしたが、2015年から帰還した際にバーコードタイプに変更されています。

改造歴

デロリアンは、タイムトラベルに必要な技術に合わせて何度か改造されています。

完成時 (1985年)：プルトニウムを動力源とする初期型。
1955年での改造後：雷の電力でタイムトラベルを行うためのポールを装備。
2015年での改造後：ミスター・フュージョンとホバー・コンバージョンを搭載。
1885年での改造後：線路を走行するための車輪を取り付け。

操作方法

タイムトラベルは、タイムサーキットで行き先時刻を設定し、時速88マイルまで加速することで行われます。

エピソード

タイムマシンが冷蔵庫だった初期案や、デロリアン採用の裏話、撮影に使用された車両のその後などが語られています。

他作品への登場

『レディ・プレイヤー1』やゴールデンボンバーの楽曲PVなど、様々な作品にデロリアンが登場しています。

デロリアンは、そのユニークなデザインとタイムトラベルという魅力的なテーマで、多くの人々に愛され続けているのです。

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