デンジャラス・バディ

作品概要

『デンジャラス・バディ』（原題: The Heat）は、2013年にアメリカ合衆国で公開されたアクションコメディ映画です。厳格で優秀ながらも人間関係に難があるFBI捜査官と、地元ボストンで型破りな捜査手法をとる女性刑事が、凶悪な麻薬組織の黒幕を追う過程でぶつかり合いながらも絆を深めていく姿を描きます。

主演はサンドラ・ブロックとメリッサ・マッカーシー。特にサンドラ・ブロックは、過去の主演作『デンジャラス・ビューティー』（2000年）、その続編『デンジャラス・ビューティー2』（2005年）でも女性捜査官を演じており、本作でもその経験が活かされたキャラクターを魅力的に演じています。

ストーリー

物語の中心となるのは、FBIの敏腕捜査官サラ・アッシュバーンです。彼女はその類まれなる能力で実績を上げていますが、生真面目で融通がきかない高慢な性格が災いし、同僚からは敬遠されていました。そんな彼女に、ボストンを拠点とする麻薬組織の捜査という重要な任務が下されます。

ボストンに到着したアッシュバーンを待ち受けていたのは、地元警察の刑事シャノン・マリンズでした。マリンズはアッシュバーンとは対照的に、荒々しく直感的、時には違法すれすれの手法も用いる叩き上げの刑事です。最初、規律を重んじるアッシュバーンと、型破りなマリンズは激しく対立します。お互いの捜査方法や性格の違いから衝突を繰り返しますが、共に捜査を進めるうちに、次第に互いの能力を認め合い、協力するようになります。

二人は、麻薬組織の謎めいた大物「ラーキン」の正体を突き止めるため、危険な潜入捜査や追跡を繰り広げます。正反対の二人が織りなす掛け合いはコメディタッチに描かれつつも、捜査の過程では予期せぬ事態や命の危機も訪れ、緊迫感が維持されます。最終的に、二人はその異なるアプローチを組み合わせることで、「ラーキン」を追い詰め、事件の真相に迫っていくことになります。

主なキャスト

サラ・アッシュバーン：サンドラ・ブロック（日本語吹替：本田貴子）
規則を重んじる堅物なFBI捜査官。
シャノン・マリンズ：メリッサ・マッカーシー（日本語吹替：斉藤貴美子）
荒々しくも人情味あふれるボストン市警察の刑事。
ヘイル：デミアン・ビチル（日本語吹替：大滝寛）
リヴィ：マーロン・ウェイアンズ（日本語吹替：小森創介）
ジェイソン・マリンズ（シャノンの弟）：マイケル・ラパポート（日本語吹替：興津幸和）
シャノンの母：ジェーン・カーティン（日本語吹替：定岡小百合）
ジュリアン・ヴィンセント：マイケル・マクドナルド（日本語吹替：斉藤次郎）
ウッズ警部：トーマス・F・ウィルソン（日本語吹替：伊藤栄次）
* マーク・ルリンズ（シャノンの兄）：ビル・バー（日本語吹替：小森創介）

この他、多数の俳優が出演し、物語を彩っています。

作品の魅力

本作の最大の魅力は、なんといってもサンドラ・ブロックとメリッサ・マッカーシーという二人の実力派女優が演じる、対照的ながらも息の合ったバディぶりです。アッシュバーンの几帳面さとマリンズの大胆さが巻き起こす騒動や、徐々に芽生える友情がユーモラスに描かれます。単なるコメディにとどまらず、麻薬捜査というサスペンス要素も盛り込まれており、最後まで観客を飽きさせないエンターテイメント作品となっています。女性バディ映画として、その後の作品にも影響を与えた一作と言えるでしょう。

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