トゥキリロテ

トゥキリ ロテ ダウラアコ（Tuqiri Lote Daulako）は、1987年11月12日にフィジーのナンドロンガで生を受けた、日本のラグビーユニオン選手です。かつてはロテ・トゥキリとして知られていました。彼の主要なポジションはセンター（CTB）であり、身長188cm、体重98kgという堂々たる体躯は、激しいコンタクトプレーが要求されるこのポジションにおいて大きな強みとなりました。2015年に日本国籍を取得し、名実ともに日本のラグビー界の一員となりました。

トゥキリ選手のラグビーキャリアは、非常に早い時期に始まりました。わずか5歳の時にラグビーボールと出会い、フィジーでその基礎を築きます。マリストブラザーズ高校を卒業後、彼は日本への留学を決断し、2007年に白鷗大学へ入学。大学での4年間は、日本のラグビー環境に適応し、選手としてのスキルを磨く貴重な時間となりました。

大学を卒業した2011年、トゥキリ選手は北海道バーバリアンズに加入し、日本のクラブシーンでの第一歩を踏み出します。そして、2016年には国内最高峰のリーグであるトップリーグ（当時）のクボタスピアーズ（現在のクボタスピアーズ船橋・東京ベイ）へと移籍。同年9月4日に開催されたトヨタ自動車ヴェルブリッツ戦では先発メンバーとして出場し、トップリーグでの記念すべき公式戦初出場を果たしました。クボタスピアーズでは、そのフィジカルと突破力でチームの重要な戦力として貢献しました。

国内でのクラブ活動と並行して、トゥキリ選手は7人制日本代表としてもその才能を如何なく発揮しました。2013年にはラグビーワールドカップセブンズの日本代表に選出され、世界の強豪を相手に経験を積みます。彼の代表キャリアにおける最大の功績の一つは、オリンピックへの連続出場です。2016年のリオデジャネイロオリンピックでは7人制日本代表の一員としてプレーし、オリンピックにおけるラグビー競技の復活という歴史的な舞台に立ちました。さらに、2021年に延期開催された東京オリンピックにおいても、再び7人制日本代表の内定選手に選ばれるなど、日本の7人制ラグビーにおいて長きにわたり中心選手としての役割を担いました。

クボタスピアーズでのプレーを経て、2018年には同じくトップリーグの近鉄ライナーズ（現在の花園近鉄ライナーズ）へ移籍。ここでは、経験豊富な選手としてチームを牽引し、チーム力の向上に貢献しました。そのパワフルなプレーは多くのファンを魅了し続けました。

日本国籍の取得は、トゥキリ選手のキャリアにとって非常に重要な節目でした。これにより、彼は外国人枠を気にすることなくチームに貢献できるようになっただけでなく、日本代表としてワールドカップやオリンピックといった最高峰の舞台で日の丸を背負って戦うことを可能にしました。

日本のラグビー界に多大な貢献をしてきたトゥキリ選手ですが、2022年に所属していた花園近鉄ライナーズを退団し、長年にわたるプロフェッショナルとしてのキャリアに区切りをつけました。フィジーで始まったラグビー人生は、日本で花開き、国際舞台でも輝きを放ちました。彼の軌跡は、日本ラグビー史における一ページとして刻まれるでしょう。

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