トゥール大学

トゥール大学について

トゥール大学（Université de Tours）は、フランスのトゥールに位置する公立の大学であり、かつてはフランソワ・ラブレー大学（Université de François-Rabelais）として知られていました。この大学は、1968年の五月危機に端を発して、より現代的で民主的な高等教育の必要性を受けて1969年に設立されました。設立当初は、すでに存在していた複数の教育機関を統合する形で設立され、ルネサンスの文人フランソワ・ラブレーの名前が冠されました。2017年には、その名称をトゥール大学に変更し、2018年には新しいロゴも導入しました。

キャンパス

トゥール大学には、エミール・ゾラ、タヌール、グランモン、ポルタリス/ドゥー=リオン、トネレ、ポン=ヴォラン、フロモンの7つのキャンパスがあります。各キャンパスでは学際的な教育や研究が行われており、学生や教員が豊かな学びの環境を享受しています。

学部と研究機関

同大学には、教養人間科学部、ルネサンス高等研究所、法経済社会科学部、文学言語学部、医学部、薬学部、科学技術学部の7つの学部があります。また、工学院やブロワとトゥールに位置する2つのテクノロジー研究所も存在しています。特に、ルネサンス高等研究所ではフランソワ・ラブレーにちなんだ研究が行われており、ルネサンス時代の文化や思想に関する豊富な資料や課題に取り組むことができます。

大学はボローニャ・プロセスに基づく学士、修士、博士課程を提供しており、また技術研究所では技術免状も交付しています。そのほかにも、公立トゥールジャーナリズム学校が大学と提携して活動しているほか、トゥール大学地域病院センター（CHU de Tours）は、医療サービスや訓練を目的に大学と連携した地域の医療機関グループです。ヨーロッパ食の歴史・文化研究所もあり、食文化を通じた社会学的研究が行われています。この研究所は、2003年以来、食と歴史に関する雑誌『Food and History』を出版しています。

教育と留学生

トゥール大学の学生の約10%は留学生で、特にエラスムスプログラムや他の協定校からの留学生が多く在籍しています。この多様な国際的背景は、学生たちに異文化理解を深める機会を提供しており、学びの場をさらに豊かにしています。

大学の評価

2016年には、世界大学ランキングセンターが発表したCWURの世界大学ランキングにおいて、トゥール大学は682位、フランス国内で30位にランク付けされました。また、法学部は2018年-2019年度のEduniversalにおいて4位の評価を受けています。

著名な卒業生

トゥール大学は多くの著名な卒業生を輩出しています。フランスのジャーナリストであるマリ＝ロール・オーグリーやアリー・ローゼルマック、国会議員のフィリップ・ブリアン、国境なき医師団のフィリップ・ビベルソン、文化人類学者の大森康宏などがその一例です。また、シェフの三國清三氏やバスク出身のマルティン・ベラサテギ氏が美食学の名誉博士号を受け取るなど、大学の教育は多岐にわたり、文化的な影響をもたらしています。

トゥール大学は、学際的なアプローチと国際性を重視した教育・研究機関として、今後もその役割を果たし続けることでしょう。

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