トゥー・グッド・アット・グッバイズ 〜さよならに慣れすぎて

サム・スミス「トゥー・グッド・アット・グッバイズ 〜さよならに慣れすぎて」

「トゥー・グッド・アット・グッバイズ 〜さよならに慣れすぎて」（Too Good at Goodbyes）は、イギリス出身のシンガーソングライター、サム・スミスの楽曲です。2017年9月8日にリリースされ、彼の2作目のアルバム『スリル・オブ・イット・オール』のリードシングルとして世界中で大ヒットしました。

楽曲の背景とリリース

リリースに先駆け、スミスは自身のTwitterで新曲発売を発表。Spotifyのロゴと共に「September 8」という日付が示された看板が設置され、ファンの期待を高めました。この楽曲は、2015年の映画『007 スペクター』の主題歌「ライティングズ・オン・ザ・ウォール」以来、約2年ぶりの新曲としてリリースされました。その後、ギャランティスとスネイクヒップスによるリミックスバージョンや、アコースティックバージョンも発表されています。

歌詞と曲の構成

この曲は、サム・スミス、ジェームズ・ネイピア、スターゲイトのトール・ハーマセンとミッケル・エリクセンの共作です。Dマイナーキー、92BPM、4分の4拍子で演奏され、コード進行はDm-F-C-Gm7となっています。スミスのボーカルはF4からC6の声域をカバーしています。

スミス自身は、この曲が過去の恋愛経験に基づいていると語っており、失恋とそれに伴う感情を描写しています。

批評家からの評価

「トゥー・グッド・アット・グッバイズ」は、リリース後、多くの音楽評論家から高い評価を受けました。

『ローリング・ストーン』誌のジョン・ブリシュタインは、「感動的な」曲と評し、ピアノを主体としたサウンドに乗せて、不安定な関係から抜け出す様子を描いていると述べました。
『ピッチフォーク』誌のジャミーソン・コックスは、アデルの「セット・ファイア・トゥ・ザ・レイン」をより感傷的にしたようだとしながらも、過去の絶望を乗り越えた人物の心情を歌っていると評価しました。
* 日本の音楽ライター本家一成は、鳥肌が立つほど美しいピアノバラードと絶賛。サム・スミスの歌声だけで曲の世界観を表現できる点を高く評価しています。

一方で、『ピッチフォーク』のマーク・ホーガンは、歌詞の内容については「あまり納得のいくものではない」と批判し、スミスのヴィブラートが過剰だと指摘しました。

ミュージック・ビデオ

ミュージック・ビデオはルーク・モナハンが監督を務め、ニューカッスル・アポン・タインで撮影されました。また、ハックニー区のラウンド・チャペルで収録されたライブ映像も公開されています。

チャートの記録

「トゥー・グッド・アット・グッバイズ」は、全英シングルチャートで初登場1位を獲得し、3週連続でその座を維持しました。イギリス国内では190万枚を売り上げ、スミスの楽曲の中で3番目に売れたシングルとなっています。また、オーストラリアやニュージーランドでも1位を獲得し、スミスにとってオーストリアで初めて1位を獲得したシングルとなりました。

アメリカでは、Billboard Hot 100で初登場5位を記録し、その後最高4位まで上昇しました。デジタル・ソングス・セールスでは1位を獲得し、ストリーミング・ソングスでもトップ10入りを果たしました。アメリカレコード協会からは、セクスタプル・プラチナ認定を受けています。

ライブパフォーマンス

楽曲のリリース後、ロサンゼルス、ニューヨーク、ロンドン、ベルリンで小規模なツアーが開催され、この曲も演奏されました。また、『サタデー・ナイト・ライブ』や『ザ・トゥナイト・ショー・スターリング・ジミー・ファロン』などのテレビ番組でも披露されました。2018年のブリット・アワードでは、バックアップシンガーと共にこの曲を披露しています。

「トゥー・グッド・アット・グッバイズ」は、サム・スミスの代表曲の一つとして、世界中の音楽ファンに愛されています。失恋の痛みを乗り越え、成長していく姿を描いた歌詞と、スミスの情感豊かな歌声が、多くの人々の心に響くバラードです。

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