トシュキウカの戦い

トシュキウカの戦い

トシュキウカの戦いは、2022年ロシアのウクライナ侵攻の中で、ルハーンシク州セヴェロドネツィク地区に位置するトシュキウカ村で発生した戦闘です。この戦いは、ウクライナ紛争の激化とロシアの侵攻によって引き起こされた一連の戦闘の一つであり、地域の支配権を争う重要な戦いとなりました。

背景

2014年に始まったウクライナ紛争は、2022年2月24日にロシアがウクライナへの全面的な侵攻を開始したことで、新たな局面を迎えました。この侵攻により、ウクライナでは深刻な難民危機が発生し、約650万人が国外に避難、国内でも人口の3分の1が強制移住を余儀なくされました。これは第二次世界大戦以降、最も急速に拡大した難民危機とされています。

ルハーンシク州では、5月8日に同州知事のセルヒー・ガイダイが、ロシア軍がポパスナの一部を占領したものの、その後ウクライナ軍が撃退したと発表しました。しかし、5月12日頃には、ロシア軍がルビージュネの戦いで勝利し、ルビージュネを完全支配下に置きました。これにより、ロシア軍はセヴェロドネツィクを包囲する態勢を整えつつありました。

トシュキウカは人口約5000人の村で、セヴェロドネツィクのすぐ南に位置し、ウスチニウカの近隣にあります。セヴェロドネツィクは、ドンバス地方におけるウクライナとロシア（親ロシア派）の戦略的要衝であり、この地を占拠した側が、ドネツ川西岸のリシチャンシクやルハーンシク州の他の都市への進軍を有利に進めることができるため、両軍にとって非常に重要な場所でした。

戦闘経過

戦闘は5月9日に始まり、ロシア軍とLPR（ルハーンシク人民共和国）軍がトシュキウカ、ヴォエヴォディウカ、ニジニを攻撃しました。しかし、ウクライナ軍はこれらの攻撃を撃退し、ロシア軍の戦車9両、オルラン10ドローン1機など多数の装備を破壊しました。その後も、5月20日と23日に戦闘が起こりましたが、ロシア軍は大きな進展を得られませんでした。

しかし、ロシア軍はより大きなセヴェロドネツクの戦いから部隊を解放する目的で、トシュキウカへの攻勢を強化し、一部で成功を収めました。6月21日には、ロシアとウクライナの国防省が、ロシア軍とLPR軍がトシュキウカを支配したと発表しました。一方で、ウクライナ側は、ウクライナ軍が包囲された地域（ヒルスケ、ゾロテ）から撤退したと発表しました。この戦闘でのロシア軍の勝利は、セヴェロドネツィクとその周辺地域における戦況に大きな影響を与えました。

トシュキウカの戦いは、ウクライナ侵攻における重要な戦闘の一つであり、両軍の戦略と戦術が激しく交錯した場所でした。この戦いの結果は、その後の戦況に大きな影響を与えたと見られています。

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