トジナメラン

トジナメラン（Tozinameran）

トジナメランは、ビオンテックがファイザーと共同で開発したCOVID-19ワクチンの有効成分です。このワクチンは「ファイザー - ビオンテック COVID-19 ワクチン」または「コミナティ」として知られており、コードネームはBNT162b2です。トジナメランは、緊急使用のために規制当局に認可された最初のCOVID-19ワクチンであり、一般使用が許可された最初のワクチンでもあります。

概要

このワクチンは筋肉に注射する形で投与されます。トジナメランは、SARS-CoV-2ウイルスのスパイクタンパク質の変異を表現するためのヌクレオシド修正mRNA（modRNA）が使用され、脂質ナノ粒子にカプセル化されています。接種には、初回接種から3週間後に2回目の接種が求められます。子供や妊婦、免疫不全者に対する感染予防効果は、免疫の持続時間やその他の要因が未解析のため不明です。

2021年2月現在、COVID-19ワクチンとして開発されたmRNAワクチンは2種類であり、もう1つはモデルナ社のワクチンです。この他にも、後期臨床試験段階にあるmRNAベースのワクチンが存在します。トジナメランの治験は2020年4月に始まり、11月までに約4万人に実施され、中間解析では90%以上の有効性が示されました。副作用は注射部位の痛みや頭痛、倦怠感などがありますが、重篤な副作用は稀です。

開発経緯

COVID-19ワクチンの開発に着手する前は、感染症用ワクチンを数年以内に作成することは困難でしたが、2019年12月にCOVID-19ウイルスが発見されたことで、開発が急務となりました。ドイツのバイオテクノロジー企業であるビオンテックは、2020年1月に新型コロナウイルスに対抗するためのワクチンプログラム「Project Lightspeed」を立ち上げ、迅速にワクチン開発を進めました。

臨床試験はステップを経て進行し、特に第III相試験では12歳から55歳以上の複数の年齢層に対する評価が行われています。トジナメランは、一般的な成人ワクチンと同様の副作用プロフィールを持ちつつも、トリプルブラインド方式で高い信頼性を確保しています。

使用と流通

トジナメランは、2020年12月にイギリスで最初に緊急使用が認可され、その後すぐに他の国々でも承認が進みました。ファイザーは、巨額の資金を投じてワクチンの流通体制を整え、冷凍維持の重要性から厳しい温度管理が求められます。ワクチンは、-80℃から-60℃の超低温が必要で、接種前の適切な保管が不可欠です。

実際にワクチン接種が始まったのは2021年2月からで、医療関係者から接種が進められました。トジナメランの接種に際しては、その安全性や効果の理解が重要で、特に接種後の副作用を認識の上、接種を受けることが推奨されています。

バイアルと接種方法

ワクチンは特定のバイアルに入れられており、接種時に生理食塩水を追加して希釈されます。1回の接種量は0.3 mLとされ、バイアル1本で最少5回分の接種が可能です。余ったワクチンは新たな用量として使用できますが、エコな取り扱いが重要とされています。2021年には、ファイザーが新たな保管条件の見直しを行い、流通の効率化を促進しています。

これらの情報を基に、トジナメランはCOVID-19対策として重要な役割を果たすワクチンであり、感染予防に対する期待が寄せられています。

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