トッケイヤモリ

トッケイヤモリ（Gekko gecko）

トッケイヤモリは、ヤモリ科に属するトカゲであり、ヤモリ属の代表的な種です。このトカゲは、別の名称として「トッケイ」や「オオヤモリ」とも呼ばれています。

分布

このヤモリは、インド北東部やインドネシア、カンボジア、タイなどの東南アジア地域を中心に、広範囲に分布しています。また、南部中国、ネパール、バングラデシュ、フィリピン、ブータン、ベトナム、マレーシア、ミャンマー、ラオスなど多くの国でも確認されています。台湾には生息しているものの、その分布が自然なものなのか人間によって移入されたものなのかはっきりしていません。さらに、アメリカ合衆国のフロリダ州やハワイ州に移入・定着しているという報告もあります。ブラジルでの目撃例もあります。

形態

トッケイヤモリの全長は18から35センチメートルで、特に頭部は三角形をしており、大きく目立ちます。背面は細かい鱗で覆われていますが、中には少し大きめの鱗も交じっています。体色は主に淡い青色で、しばしば橙色の斑点が見られますが、個体ごとに異なる色合いや模様が存在するのが特徴です。尾の部分では、斑点が帯状になることもあります。

生態

このヤモリは主に森林に生息しますが、農耕地や都市部でも頻繁に目にすることができます。名前の由来は、特徴的な鳴き声から来ています。威嚇時には噴気音を発する習性があり、これは敵に対する防御手段と考えられています。食性は雑食で、昆虫や他のヤモリ、小型の鳥類や哺乳類を捕食します。繁殖は卵生で、1回に産む卵の数は2から3個です。

人間との関係

トッケイヤモリは東南アジアの一部地域において食用とされており、その肉やその他の部分が薬用として利用されることもあります。また、鳴き声に関する言い伝えとして、7回連続して聞くことで幸福が訪れるとされています。この種は非常に広い分布域を持ち、在庫数も多いと考えられているため、現在のところ絶滅のおそれは低いとされています。しかし、一部地域では薬用の目的で商取引が行われており、その影響が懸念されています。特に中国では開発によって生息地が破壊され、乱獲が問題となっています。そのため、この種は2019年にワシントン条約附属書IIに掲載されました。

また、トッケイヤモリはペットとしても人気があり、日本にも輸入されています。多くの場合、野生個体が流通していますが、扱いが不適切なために健康を害している個体も見受けられます。顎が非常に強く、鋭い歯を持っているため、取り扱いには十分な注意が必要です。飼育環境としては、枝や流木、コルクバークなどを用いて隠れ家を提供することが望まれますが、協調性がないため、単独で飼育することをおすすめします。

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