トップスターショー・歌ある限り

トップスターショー 歌ある限り

『トップスターショー 歌ある限り』は、TBS系列で1976年10月7日から1977年12月29日までの期間、毎週木曜日の21:00から21:55（日本標準時）に放送されていた公開歌謡番組である。TBSが制作を手掛け、全国24局の系列局で視聴可能だった。

番組の特色

この番組の大きな特徴は、スタジオに多くの観客を招いて収録される公開番組形式を採用していた点にある。毎回、演歌やポップスなど、多岐にわたるジャンルから一人または複数の著名な歌手がゲストとして登場した。

番組の進行は、俳優として活躍していた二谷英明と、当時TBSのアナウンサーだった久米宏が司会を務めた。二谷の落ち着いた進行と久米の軽妙な語り口が、番組に彩りを添えた。ゲスト歌手は持ち歌などを披露したが、単に歌唱するだけでなく、歌と歌の間には司会の二谷とゲストによる和やかなトークコーナーが設けられ、歌手の素顔やエピソードなどが語られた。

番組収録は、TBS本館ビル（後に赤坂メディアビルとなる）内にあったGスタジオで行われていた。

音楽と演出

エンディングテーマには、主に森田公一とトップギャランの楽曲「青春時代」が使用された。この曲が流れる際には、歌詞のテロップが必ず表示された。しかし、ゲスト歌手が自身の楽曲を披露する際には、歌詞テロップが表示されることは少なかった。1977年11月からは、エンディングテーマが同じく森田公一とトップギャランの「過ぎてしまえば」に変更されている。

最終回とその後

1977年12月29日に放送された最終回では、その年の『速報！第19回日本レコード大賞』で大賞候補ベスト10に選出された歌手10組が一堂に会して歌唱した。番組の終了は、この回のエンディングにおいて、司会の二谷英明から初めて視聴者へ伝えられた。そして、番組の最後には、この番組の後に始まる新音楽番組『ザ・ベストテン』の司会を務める黒柳徹子が登場し、後番組の告知を行うという演出が盛り込まれた。

なお、『トップスターショー 歌ある限り』で司会を務めた久米宏は、『ザ・ベストテン』にも引き続き出演し、黒柳徹子と共にメイン司会として1985年4月まで番組を支えることとなる。

再放送など

本番組の再放送は、終了から長い年月を経た2015年5月10日から、CS放送のTBSチャンネル1で開始された。ただし、同チャンネルでの放送は定期的ではなく、放送時間や放送される回のエピソード順序も一定していない。例えば、ある週に第14回が深夜帯に放送されたかと思えば、翌週には第35回が日曜日の午後に放送されるなど、かなり不規則な編成となっている。また、TBSチャンネルの公式サイトには、番組全体の特集ページは設けられておらず、再放送された個々のエピソードごとに特集ページが作成されている状況である。

番組の出演者としては、司会の二谷英明、久米宏のほか、宮間利之とニューハード、森寿男とブルーコーツといった著名なバンドが演奏を担当し、花柳社中が踊りを、APPLEがコーラスをそれぞれ務めた。音楽指揮は長洲忠彦や森寿男が担当した。番組制作には、構成、音楽、演出、美術など、多岐にわたる分野のスタッフが携わっていた。

後年、司会の一人であった二谷英明が2012年に死去した際、TBSの情報バラエティ番組『アッコにおまかせ!』の中で、彼が出演していた本番組のオープニング映像が流されたことがあった。この際、同番組の司会である和田アキ子が、自身が『トップスターショー 歌ある限り』にゲスト出演し「酒と泪と男と女」を歌唱した際の映像も放送された。映像を見た和田アキ子からは、「二谷さんが音楽番組の司会をされていたことも知らなかったし、自分もこの番組に出ていたことを初めて知った」といった旨のコメントが出ている。

『トップスターショー 歌ある限り』は、1970年代後半の歌謡番組を彩った代表的な番組の一つとして、今も記憶されている。

もう一度検索