トニ・ニエミネン

トニ・ニエミネン（Toni Markus Nieminen、1975年5月31日 - ）は、フィンランドのラハティ出身の元スキージャンプ選手です。

1990年代初頭、スキージャンプの世界ではV字スタイルが主流となり始めましたが、ニエミネンはいち早くこの新しいフォームを習得しました。16歳で1991-1992年のスキージャンプ・ワールドカップにデビューすると、ジャンプ週間で優勝するなど、いきなり4勝を挙げる鮮烈なデビューを飾ります。

その勢いのまま、1992年のアルベールビルオリンピックでは、ノーマルヒルで銅メダル、ラージヒルと団体戦では金メダルを獲得する快挙を達成しました。さらに、ノルディックスキージュニア世界選手権でも個人・団体の2冠に輝きました。

当時、史上最年少の冬季オリンピック金メダリストとなったニエミネンは、「マッチ・ニッカネンの再来」と称賛され、これからの10年間は彼の時代になるとまで言われました。しかし、完璧なV字フォームで飛んでいたニエミネンは、その後、自身の体の成長に合わせたフォームの改良に対応できず、徐々に低迷していきました。

1994年3月17日、プラニツァ（スロベニア）で開催されたスキーフライング世界選手権の公式練習で、ニエミネンは史上初めて200mを超えるジャンプを記録しました。アンドレアス・ゴルトベルガー（オーストリア）が202mを飛んだものの着地に失敗したのに対し、ニエミネンは203mを飛び、見事に着地を成功させ、記録を塗り替えました。

2000/01シーズンには、ワールドカップで2度一桁順位に入るなど、総合21位となり、復活の兆しを見せました。翌2001/02シーズンも2度一桁順位となり、10年ぶりにオリンピック代表に選出され、ソルトレークシティオリンピックに出場しましたが、ノーマルヒルは16位に終わりました。

2003/04シーズンを最後に現役を引退。引退後は、フィンランド国営テレビMTV3のジャンプコメンテーターとして活躍する傍ら、フィンランドジュニアナショナルチームのコーチも務めました。

スキージャンプ・ワールドカップでは、通算9勝（2位1回、3位2回）を挙げており、そのうち8勝は総合優勝を果たした1991-1992年シーズンに記録したものです。

2016年1月19日には、同月末に開催されるフィンランド選手権からの現役復帰を表明し、話題となりました。

もう一度検索