トニー・カレンティ

トニー・カレンティは、イタリア系のルーツを持つオーストラリア人ドラマーであり、特に1970年代のハードロックシーンにおいて、その才能を発揮しました。彼の名が最も広く知られるようになったのは、オーストラリアを代表するハードロックバンド、AC/DC|AC_DCとの関わりからです。

1975年、AC/DC|AC_DCはデビューアルバム『ハイ・ヴォルテージ』のレコーディングを行いました。当時、バンドにはピーター・クラックというドラマーが在籍していましたが、レコーディングの過程で、カレンティがセッション・ドラマーとして参加することになりました。驚くべきことに、アルバムに収録されたドラムパートの大部分は、カレンティによって演奏されたものだったのです。

カレンティの参加後、バンドはクラックを解雇し、後任としてフィル・ラッドを迎えました。しかし、カレンティがレコーディングに参加したトラックは、1976年にリリースされた国際版の『ハイ・ヴォルテージ』にも2曲収録され、彼の演奏は世界中のファンに届けられることとなりました。

AC/DC|AC_DCでの活動期間は短期間でしたが、カレンティはそれ以前にも、オーストラリアのバンドThe 69'ersのメンバーとして活動していました。彼はThe 69'ersで2枚のアルバムに参加しており、AC/DC|AC_DC以外にもその才能を発揮していたことが伺えます。

トニー・カレンティは、AC/DC|AC_DCの歴史において、短期間ながらも重要な役割を果たしたドラマーと言えるでしょう。彼の演奏は、『ハイ・ヴォルテージ』というアルバムを通じて、今もなお聴くことができます。

参考文献：
Two Sides To Every Glory, Paul Stenning, 2005
Metal Hammer & Classic Rock present AC/DC|AC_DC, Metal Hammer magazine special, 2005

もう一度検索