トビー (きかんしゃトーマス)

トビー - 路面蒸気機関車の魅力

トビーは、イギリスの幼児向け絵本『汽車のえほん』と、その映像化作品『きかんしゃトーマス』に登場する特異なキャラクターであり、年季の入った木造の路面蒸気機関車です。そのデザインは特に特徴的で、ボディの前後にはカウキャッチャー、側面には脇板、屋根には鐘がついています。茶色い色合いと共に、車体番号は「7」となっており、一人称は「僕」、二人称は「君」とされています。また、トビーは「ヘンリエッタ」という専用の客車を引き連れていることも、大きな魅力の一つです。

性格とエピソード

トビーの性格は、おおらかで誠実かつ知識が豊富です。そのため、彼は貨車を扱う技術にも長けており、仲間たちに対していつも優しさを持っています。一方で、年齢を重ねたことから、力の衰えを感じる場面も多く、特にテレビシリーズでは彼の心配性が強調されています。時にはトーマスを驚かすいたずらをすることもあり、彼の遊び心が伺えます。動物にも愛情を持っており、雪の中にいる羊や機関庫にやってくる鳥を心配する姿も描かれています。

モデルと製造

トビーは、実際の路面蒸気機関車であるGER C53形（後のLNER J70）がモデルとなっており、1903年から1921年の間に製造されました。ウィルバート・オードリーがこの機関車に魅了され、彼の創作に生かされた背景があります。特に、彼が家族旅行で訪れたときにこの機関車を目にし、その魅力に心を奪われたことがトビー誕生のきっかけとなりました。

原作とその経歴

原作『汽車のえほん』によれば、トビーは1914年にストラトフォードで製造され、その後はノーフォーク州の鉄道で働いていましたが、使用される機会が減少し、最終的にはトップハム・ハット卿に購入されることになります。この選択により、彼はソドー鉄道で新たな生活を始め、ヘンリエッタと共に貨物列車の運行を担うようになりました。このようなストーリーは、トビーにとって新たな時代の始まりを象徴しています。

TV版での展開

映像化作品『きかんしゃトーマス』では、トビーは第1期から第21期の間、レギュラーとして活躍し、多くのエピソードに登場しました。彼の背景や性格は原作に忠実に描かれており、特にトーマスやパーシーとの関係が強調されています。彼の機関庫もトーマスと隣接しており、彼らの絆が深まっていく様子が描かれています。

近年の展開

2021年以降の新しいアニメ版では、これまでの経歴が一部変更され、ブリテン島の路線が閉鎖されたためにソドー島に移住したという設定が加わりました。また、この新作では彼の性格がさらに積極的になり、仕事に挑む姿が描かれており、トーマスや仲間たちとの交流がより際立っています。

声優としてのキャリア

トビーを演じる声優は、時代によって変遷しており、英国版ではコルム・フィオールやベン・スモール、北米版ではウィリアム・ホープ、日本版では川津泰彦や坪井智浩が務めてきました。これにより、彼のキャラクターが異なる表現で描かれてきたことも、ファンの間での人気を支える要因となっています。

トビーはその多様な側面と魅力により、多くの子供たちや大人に支持され続けています。彼の冒険や友情、成長のストーリーは、今もなお多くの人々に愛されています。

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