トブヨウニ

「トブヨウニ」は、日本のアーティスト、YOSHII LOVINSONがソロ名義で発表した通算3作目となるシングルレコードです。2004年7月28日に、EMIミュージック・ジャパンより世に送り出されました。

前作シングルから約半年ぶりのリリースとなった本作には、表題曲「トブヨウニ」に加え、2曲のカップリング曲が収録されています。シングル全体のプロデュース、作詞、作曲、編曲は全て吉井和哉（YOSHII LOVINSON）自身が手掛けています。また、シングルの視覚面を彩るミュージックビデオは、藤田恒三が監督を務めました。サウンド面では、プログラミングとギターパートでミュージシャンのKeita The Newestが制作に参加しています。

本シングルに収録されている楽曲とその時間は以下の通りです。

トブヨウニ (4:28)
BLOWN UP CHILDREN (5:16)
HATE (4:57)

特にカップリング曲の一つである「BLOWN UP CHILDREN」には、非常に興味深い制作背景が存在します。この楽曲は、元々はセカンドシングルの表題曲として「red leaves」というタイトルで発表される予定でした。しかし、歌詞の内容が放送メディアでの使用に適さないと判断されたため、一度「SWEET CANDY RAIN」と改題され、改めてリリースが計画されました。その後、さらに歌詞とタイトルに修正が加えられ、最終的に「BLOWN UP CHILDREN」として本作に収録されることになったのです。

吉井自身が後に語ったところによれば、この楽曲の制作過程では、最終形に至るまでに5つ以上の異なるバージョンが存在していたと言います。彼は「これほど一つの楽曲に手間暇をかけたことはあまりなく、正直に言えば、歌唱や歌詞の表現に最後まで納得がいかなかった」と当時の苦労を振り返っています。そうした試行錯誤の中で生まれたバージョンの一つに「甲羅」という楽曲があり、これは後に彼のベストアルバム『18』のボーナスCDに収録され、ファンの耳に届くことになりました。

もう一つのカップリング曲「HATE」は、社会的なメッセージを込めた楽曲であり、戦争をテーマとしています。この楽曲もまた、ベストアルバム『18』にセレクトされ、発表から時を経てもそのメッセージ性を失わない楽曲として位置づけられています。

本作に収録された各楽曲は、その後のアルバムにも形を変え、あるいはオリジナルのまま収録されています。

表題曲「トブヨウニ」は、2005年3月9日に発売されたオリジナルアルバム『WHITE ROOM』に、アルバムバージョンとして収録されました。
シングルに収録されたオリジナルバージョンの「トブヨウニ」と、カップリング曲「HATE」は、2013年1月23日リリースのベストアルバム『18』に収められています。
カップリング曲の「BLOWN UP CHILDREN」と「HATE」は、2015年5月27日発売のライブ音源主体のアルバム『SUPERNOVACATION』にも収録されています（ライブバージョンである可能性が高いが、インプット情報からは断定できないため、収録されている事実のみを記載）。

このように「トブヨウニ」シングルは、表題曲の他、特に「BLOWN UP CHILDREN」に見られるような楽曲制作への深いこだわりと、テーマ性の強い「HATE」を含む、YOSHII LOVINSONのソロアーティストとしての多様な側面を示す作品と言えます。特に「BLOWN UP CHILDREN」の度重なる変更は、彼が自身の表現に対して妥協を許さない姿勢を如実に物語るエピソードとして知られています。

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