トペ・スイシーダ

トペ・スイシーダとは

トペ・スイシーダ（Tope Suicida）は、プロレスを彩るダイナミックな技術の一つであり、特にルチャ・リブレの世界では重要な役割を果たしています。この技は、リングの外にいる相手に向かって力強く飛び込むことで、観客を魅了し、試合の流れを大きく変えることができます。

技の概要

トペ・スイシーダは、助走をつけてリングの外に飛び出し、相手に体当たりをするというシンプルでありながら迫力のある技です。「スイシーダ」という言葉はスペイン語で「自殺」を意味しますが、これはこの技の危険性と、レスラーが全力で行う様子を表現しています。一般には「トペ」と略されますが、ここには他のトペ技（トペ・コンヒーロなど）も含まれます。この技は通常、トップロープとセカンドロープの間をくぐって行われますが、トップロープを飛び越えて行われるノータッチ・トペも存在します。

この技のバリエーションは幅広く、頭突きやショルダー・タックル、さらにはフライング・クロスチョップなど、技をかけるレスラーのスタイルによってさまざまな形態があります。最近では、日本のレスラーDOUKIがトペ・スイシーダの流れからDDTへとつなげる、高度なテクニックを披露しています。

幅広いレスラーによる使用

トペ・スイシーダは、ジュニアヘビー級の軽量級レスラーだけでなく、ヘビー級の重戦士にも広く使用されます。驚くことに、2メートル近い体格を持つジ・アンダーテイカーやザ・グラジエーターといった巨漢レスラーもこの技を駆使しており、その万能性を示しています。

日本での普及

日本においては、全日本プロレスで活躍していた百田光雄がメキシコから帰国後にこの技を初めて披露したと言われています。また、新日本プロレスの藤波辰巳もメキシコでトレーニングを受けた後、「ドラゴン・ロケット」と命名し、技をさらに普及させました。

派生技について

トペ・スイシーダには多くの派生技が存在します。その中でも特に注目されるのが、以下の技です。

- エルボー・スイシーダ：この技は三沢光晴が得意とするもので、肘を突き出して相手に突っ込む形の変則技です。
- ブエロ・デ・アギラ：ミステル・アギラが考案した技で、ノータッチ・トペから体を横に反転させて相手に衝突します。カズ・ハヤシもこの技を使用しています。
- トペ・コン・ヒーロ：前転しながら相手に自らの背面を当てる技で、トップロープ越しに放たれることが多いです。日本では1981年にマッハ隼人が初めて披露しました。
- トペ・アトミコ：仰向けになっている相手に対して、コーナーから飛び込み、頭から突っ込む技です。これもまた、マッハ隼人のスタイルで人気を博しています。

トペ・スイシーダ