トマス・コーウィン

トマス・コーウィンの生涯

トマス・コーウィン（Thomas Corwin）は、1794年7月29日にアメリカ合衆国のケンタッキー州バーボン郡で生まれました。彼はオハイオ州で法律を学び、1817年に弁護士として認可を受けました。その後、コーウィンはオハイオ州レバノンで弁護士としてキャリアをスタートさせました。

早期の政治経歴

コーウィンの政治の道は、1821年にオハイオ州下院議員に選出されたことから始まります。彼は1823年までこの職を務め、その後オハイオ州ウォレン郡の検察官に就任しましたが、1829年には再度下院議員に選ばれました。1831年にはホイッグ党から下院議員に立候補し当選。以後5期連続で連邦議会の下院議員を務めた後、1840年にはオハイオ州知事選に挑戦し当選。彼は知事として1842年までの任期を全うしました。

しかし、2期目の選挙では民主党のウィルソン・シャノンに敗北し、さらに1844年にはオハイオ州知事の候補として指名を受けましたが、これを辞退しました。

上院議員としての活動

1845年にホイッグ党からアメリカ合衆国上院議員に選出されたコーウィンは、米墨戦争について厳しい批判を展開し、特に選挙民からの支持を得ました。その後、彼は1847年と1849年に再選を果たし、上院議員としての地位をさらに確立しました。

財務長官としての役割

1850年、コーウィンはミラード・フィルモア大統領から郵政長官への就任を打診されましたが、これを辞退しました。続いて財務長官への要請を受け、彼はこの役に就任しました。コーウィンは当時の関税政策に対して批判的であり、特に1846年の関税法については懸念を示しました。この法律は、原材料に高い関税を課していたため、製品の輸入が安価に行える状況を生んでいました。コーウィンは新たな関税法を提案しましたが、議会では通過しませんでした。

晩年と外交活動

1853年に財務長官を退任したコーウィンはオハイオ州に戻り、法律実務を再開するとともに、新たに結成された共和党に参加します。1859年には共和党から下院議員選挙に立候補し、当選。エイブラハム・リンカーン大統領のもとで駐メキシコ公使としての任に就くために下院議員を辞職し、メキシコへと渡ります。彼はそこで1864年まで公使を務め、南北戦争時の外交において重要な役割を果たしました。

1864年に帰国したコーウィンはワシントンD.C.で再び弁護士業を営みますが、1865年に亡くなりました。彼の遺体はオハイオ州レバノンにあるレバノン墓地に埋葬されました。

コーウィンの政治家としての功績は、彼が生前に果たした多様な役割に今なお影響を与える存在といえるでしょう。

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