ミラード・フィルモア

ミラード・フィルモア：アメリカ第13代大統領

ミラード・フィルモア（Millard Fillmore）は、1800年1月7日にアメリカ合衆国に生まれ、1874年3月8日に死去した政治家、弁護士であり、第12代副大統領、そして第13代大統領として知られています。彼はザカリー・テイラーが急死した後、副大統領から大統領に昇格した2人目の人物として、政治史に名を刻みました。フィルモアの政治的経歴は様々な要素で成り立っており、特に彼の時代のアメリカの社会が抱えていた問題に対する対処法が重要なテーマとなっています。

生い立ちと教育

フィルモアはカユーガ郡モラヴィアの丸太小屋で、両親のナサニエルとフィービーの下に生まれました。9人兄弟の中での長男として成長したフィルモアは、極貧家庭で育ち、正規の教育が受けられない環境でした。そのため、青年期にはまともに読み書きを習得することすら困難でした。それでも彼は、1826年にアビゲイル・パワーズと結婚し、家庭を築くと共に法律の学習を続け、バッファローで法律業を開くことになります。

政治の道

フィルモアの政治キャリアは、1828年に反メイソン党からニューヨーク州下院議員に選出されたことから始まりました。国政へ進出する中で、フィルモアはホイッグ党に参加し、各種の政策や法案に対して反対意見を表明し続けました。特に、奴隷制度に関するテキサス併入問題や、下院歳入委員会の委員長時代に税制改革を進めるなど、経済的安定に寄与する活動をしました。

副大統領から大統領へ

1848年、フィルモアはホイッグ党から副大統領に選出され、ザカリー・テイラー大統領と共に政権を担うことになりました。フィルモアの立場は、奴隷制度に関する議論が活発に行われている中でのものであり、彼は南部の保守層との調和を図るため、妥協を重視しました。1850年の妥協策では、逃亡奴隷法とも呼ばれる法律に署名し、これによりホイッグ党は一時的にその基盤を維持しましたが、長期的には衰退を招く結果となりました。

大統領としての業績

1850年に大統領職を引き継いだフィルモアは、内政においては州の問題や奴隷制度への対応に苦慮しながらも、いくつかの重要な政策を打ち出しました。特に、マシュー・ペリーを日本に派遣したことが大変注目され、これが後の日本の開国へと繋がりました。また、北アメリカ大陸に横断鉄道の建設を推進し、ハワイを自国の影響下に置こうとしました。

文化的業績

フィルモアの妻であるアビゲイルは、ホワイトハウスに初めて図書室や水道、調理用ストーブを導入をし、彼女の影響が伺える部分もあります。また、フィルモア自身がインディアン政策を進めた結果開かれた土地は、後のアメリカの開拓へとつながっていきました。しかし、彼の政策は終戦後のインディアン戦争を激化させる要因ともなりました。

最後に

フィルモアは、アメリカが政治的に分かれる中で、容易に認識される業績が少なかったものの、その時代における政治と社会の動きを理解する上で重要な指導者であったと言えます。彼の大統領職は、アメリカのさまざまな変革を象徴するものであり、後の政治や外交に影響を与えた存在として評価されています。

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