トマス・ブルース (第2代アイルズベリー伯爵)

第2代アイルズベリー伯爵 トマス・ブルースの生涯

第2代アイルズベリー伯爵および第3代エルギン伯爵トマス・ブルース（1656年 – 1741年）は、激動の17世紀後半から18世紀にかけてのイングランドで、政治家、貴族として生きました。彼は、第2代エルギン伯爵ロバート・ブルースとダイアナ・グレイの息子として生まれ、母方の祖父母には初代スタンフォード伯爵ヘンリー・グレイとアン・セシルがいます。

政界でのキャリア

トマス・ブルースは、1679年にマールバラ選挙区から出馬し、イングランド庶民院議員に初当選を果たしました。これは、彼がウィルトシャーに影響力を持つようになったことと深く関わっています。その後、1685年には5,000ポンドで寝室侍従の職を購入しますが、チャールズ2世の崩御により、その職を失うこととなります。しかし、同年に行われた総選挙では、ウィルトシャー選挙区から再び選出され、その政治的な手腕を発揮しました。

名誉職

政界での活躍と並行して、トマス・ブルースは数々の名誉職も歴任しました。1679年から1685年までベッドフォードシャー副統監を務めた後、同地の統監に昇進し、1689年までその職にありました。また、1685年にはハンティンドンシャー副統監にも任命され、統監に昇進後、同様に1689年まで務めました。さらに、ケンブリッジシャー副統監も1685年から1689年まで務めています。

名誉革命とジャコバイト

1685年10月20日に父が亡くなると、アイルズベリー伯爵とエルギン伯爵の爵位を継承しました。その後、1688年12月まで寝室侍従を務めます。名誉革命が起こると、多くの貴族がオラニエ公ウィレム3世を支持する中、彼はジェームズ2世を支援しました。その後、ウィリアム3世への忠誠を誓いますが、すぐにジャコバイトとなり、1696年のウィリアム3世暗殺未遂事件に関与したとして、ロンドン塔に投獄されることになります。

海外追放と晩年

1698年、トマス・ブルースは海外追放という形で釈放され、フランドル地方に移住し、カトリックに改宗しました。しかし、息子チャールズはイギリスに残り、1700年代に庶民院議員を務めています。1741年12月16日、トマス・ブルースはブリュッセルで亡くなり、同地に埋葬されました。

家族

トマス・ブルースは、生涯で2度の結婚をしています。1676年8月31日には、ヘンリー・シーモアの娘であるエリザベス・シーモアと結婚しました。彼女との間には、3人の子供がいます。

ロバート（1679年 – 1685年） - 夭折
チャールズ（1682年 – 1747年） - 第3代アイルズベリー伯爵、第4代エルギン伯爵
エリザベス（1689年 – 1745年） - 第3代カーディガン伯爵ジョージ・ブルーデネルと結婚

1700年4月27日には、ブリュッセルでデスヌー女伯爵シャルロット・ダルジャントーと再婚し、1女を儲けました。

マリー・テレーズ（1704年 – 1736年） - マクシミリアン・エマニュエル・ド・オルヌと結婚

第2代アイルズベリー伯爵トマス・ブルースの回顧録は、死後150年ほど経過した19世紀末に出版され、17世紀末のイングランド史における重要な文献として高く評価されています。彼の生涯は、当時の政治、社会、宗教の複雑な状況を反映しており、歴史家にとって貴重な情報源となっています。

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