トマス・リンコン

トマス・リンコン：ベネズエラの誇り高きキャプテン

トマス・エドゥアルド・リンコン・エルナンデス（Tomás Eduardo Rincón Hernández, 1988年1月13日 - ）は、ベネズエラ・サン・クリストバル出身のサッカー選手。カンピオナート・ブラジレイロ・セリエA・サントスFCに所属し、ベネズエラ代表ではキャプテンを務める、まさにチームの顔とも言える存在です。ポジションはMF（DMF）で、その豊富な運動量と戦術眼でチームを支えます。

クラブキャリア

リンコンは、UAマラカイボの下部組織でその才能を育み、2007年1月にサモラFCへ移籍。サモラでは33試合に出場し、1得点を記録しました。その後、2008年7月にデポルティーボ・タチラFCと2年契約を結び、着実にステップアップしていきます。

2009年1月、リンコンは大きな転機を迎えます。当時22歳で、ドイツ・ブンデスリーガのハンブルガーSVにレンタル移籍。これは、ベネズエラ人として初のブンデスリーガ所属選手となる快挙でした。2009年3月4日のDFBポカール・ヴェルダー・ブレーメン戦でデビューを飾り、同年4月4日のTSG 1899ホッフェンハイム戦でブンデスリーガデビュー。その後、ハンブルガーSVへの完全移籍を果たし、2014年まで在籍しました。

2014年7月には、イタリア・セリエAのジェノアCFCへ完全移籍。コッパ・イタリアやセリエAでのデビューも果たし、イタリアの地でもその実力を証明しました。そして、2017年1月3日、ユヴェントスFCへの移籍が決定。これは、リンコンにとって更なる飛躍のチャンスであり、ユヴェントス史上初のベネズエラ人選手として、新たな歴史を刻むこととなりました。

ユヴェントスでは、セリエAとコッパ・イタリアのタイトルを獲得。その後、トリノFC、UCサンプドリアへの移籍を経て、現在はブラジルのサントスFCで活躍しています。

代表キャリア

リンコンは、U-20ベネズエラ代表としても活躍し、2007 南米ユース選手権に出場。2010 FIFAワールドカップ・南米予選でベネズエラ代表デビューを果たしました。

2011年にアルゼンチンで開催されたコパ・アメリカ2011では、アディダス・ベスト・プレーヤーに輝き、その実力を世界に示しました。コパ・アメリカ2015大会終了後には、フアン・アランゴからキャプテンマークを受け継ぎ、ベネズエラ代表の新たなリーダーとしてチームを牽引しています。

プレースタイル

リンコンは、中盤の底でボールを奪取し、攻撃の起点となることを得意とするMFです。豊富な運動量でピッチを駆け回り、相手の攻撃を封じるとともに、正確なパスで攻撃を組み立てます。また、戦術理解度が高く、状況に応じたプレーを選択できるため、チームに安定感をもたらします。ベネズエラ代表ではキャプテンとして、チームをまとめ、鼓舞する役割も担っており、精神的な支柱としても欠かせない存在です。

タイトル

セリエA: 2016-17（ユヴェントス）
コッパ・イタリア: 2016-17（ユヴェントス）

個人タイトル

* コパ・アメリカ2011 アディダス・ベスト・プレーヤー

トマス・リンコンは、ベネズエラサッカー界を代表する選手の一人であり、その活躍はこれからも多くの人々に感動と勇気を与え続けるでしょう。

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