トマス杯

トマス杯（Thomas Cup）とは

トマス杯、またはトマスカップは、男子バドミントンの国別対抗戦であり、世界バドミントン連盟(BWF)が主催する権威ある大会です。20世紀初頭の名選手であり、国際バドミントン連盟(IBF)の初代会長を務めたジョージ・トマスにちなんで命名されました。女子のユーバー杯と並び、国別の団体世界選手権として位置づけられています。

大会の流れ

各国は4名から10名の選手を選出し、チームを構成します。試合はシングルス3試合とダブルス2試合の計5試合で行われ、3試合に勝利したチームが勝ちとなります。ただし、1人の選手が出場できるのは、シングルス1試合とダブルス1試合までです。グループリーグでは、勝敗が決定しても全5試合が行われますが、トーナメントでは、どちらかのチームが3勝した時点で、それ以降の試合は行われません。

開催方式の変遷

トマス杯の開催方式は、時代とともに大きく変化してきました。以下に、決勝大会での対戦方式の変遷を記します。

1. 第1回大会：各大陸ゾーン予選を勝ち抜いた3か国によるトーナメント。1戦で9試合を行い、勝利数の多い方が勝ち抜け。
2. 第2-7回大会：各大陸ゾーン予選を勝ち抜いた4か国によるトーナメント制のインターゾーンプレーオフを行い、その勝者が前回優勝国と決勝戦で対戦。
3. 第8-12回大会：各大陸ゾーン予選を勝ち抜いた4か国に前回優勝国を加えた5か国によるトーナメント制のインターゾーンプレーオフ。
4. 第13-20回大会：各大陸ゾーン予選を勝ち抜いた6か国に前回優勝国と開催国を加えた8か国による決勝大会のグループリーグを行い、各組上位2か国による準決勝・決勝（トーナメント）。この時から1戦ごとに全5試合の対戦となる。開催は3年に1度から2年に1度に変更され、女子のユーバー杯と同時開催。
5. 第21-23回大会：準決勝・決勝は先にどちらかが3勝した時点で打ち切り。
6. 第24-27回大会：各大陸ゾーン予選を勝ち抜いた10か国に前回優勝国と開催国を加えた12か国が参加。4組に分かれてグループステージを行い、各組1位が準々決勝に進出。各組2位は各組3位とプレーオフを行い、その勝者が準々決勝に進出して、各組1位と対戦。
7. 第28回大会：各大陸予選を行わず、シングルス、ダブルスの上位選手の世界ランキングポイントを集計した国・地域別のチームランキング上位16ヶ国が参加。4チームを1グループとした4グループに分かれて予選リーグを行い、それぞれ上位2チームが準々決勝以降のトーナメントに進出。
8. 第29回大会以降：各大陸ゾーン予選を勝ち抜いた11か国に前回優勝国と開催国、大陸ゾーン予選敗退国のうちシングルス、ダブルスの上位選手の世界ランキングポイントを集計した国・地域別のチームランキング上位3か国を加えた16か国が参加。

過去の記録

過去31回の大会では、インドネシアが14回、中国が10回、マレーシアが5回優勝しています。1950年代後半からインドネシアが圧倒的な強さを誇っていましたが、1980年代に入ると中国が王座を奪取。1990年代にはインドネシアが盛り返しましたが、2004年からは中国が5連覇を達成しました。2014年大会では、日本が準決勝で中国の6連覇を阻止し、見事初優勝を飾りました。

トマス杯の会場は、2012年開催の武漢大会を含め、大半がアジアで開催されています。それ以外の開催は、欧州のイングランドで2回、デンマークで1回のみです。1967年大会では、自国の劣勢に怒ったインドネシア人観客の妨害と、それを制止しなかったインドネシア当局の対応により、大会続行が不可能となる事態が発生しました。この背景には、当時のインドネシアにおける政治情勢の不安定さがありました。

関連情報

ユーバー杯
スディルマンカップ
バドミントン日本代表

外部リンク

バドミントン連盟'>トマス杯＆[[ユーバー杯]](https://corporate.bwfbadminton.com/events/thomas-uber-cup/)（英語）
トマス杯アーカイブ(Mike's Top Badminton-Info-Portal)（英語）（ドイツ語）
トマス杯(smash - badminton site)（英語）
* 日本バドミントン協会 （日本語）

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