トマホーク作戦
トマホーク作戦の概要
トマホーク作戦（Operation Tomahawk）は、1951年3月23日に朝鮮戦争中、アメリカ軍によって実行された空挺作戦です。この作戦は、カレイジャス作戦（Operation Courageous）の一環として、韓国の京畿道坡州市文山邑（ムンサンウプ）一帯に、アメリカ陸軍第187連隊戦闘団を空挺降下させることを目的としていました。
作戦の背景
1951年3月、国連軍がソウルを再奪還し、春川を占領したことを受け、第8軍司令官は新たな作戦を計画しました。偵察の結果、朝鮮人民軍第1軍団と中国人民志願軍第26軍が議政府（ウィジョンブ）とその北部に展開していることが判明しました。特に人民軍第1軍団は臨津江を背にしていたため、渡河地点を遮断すれば戦力が分断されると判断され、攻撃の焦点となりました。
第8軍は、リッパー作戦を拡大し、第187空挺連隊戦闘団を人民軍の後方に降下させ、同時にアメリカ第1軍団が敵を正面から圧迫することで、敵軍を撃滅するという作戦を立案し、これを「カレイジャス作戦」と命名しました。
作戦の実行
カレイジャス作戦の第一段階として、リッジウェイ将軍は3月21日に米第1軍団に「カイロ線」への前進を命じました。米第1軍団は議政府の西で人民軍第1軍団、東で中国第26軍と接触しました。
3月22日午前8時、米第1軍団の3個師団はカイロ線に向けて進撃を開始しました。軍団の左翼を担当した韓国軍第1師団は軽微な抵抗を排除し、正午頃には目標ラインに到達しました。一方、軍団の中央の第3師団と右翼の第25師団は散発的な抵抗を受け、その日のうちに目標地点まで到達できませんでした。
同日17時30分、第8軍は空挺作戦について協議し、第8軍作戦参謀のギルマン・C・マジェット大佐の提案に基づき、翌23日午前9時に作戦を実施することを決定しました。この空挺作戦が「トマホーク作戦」と命名されました。
トマホーク作戦は、カレイジャス作戦の後半部分を担う作戦であり、100機以上のC-119フライングボックスカー輸送機を動員し、前線から約30キロメートル後方に第187連隊戦闘団を空挺降下させるというものでした。空挺部隊の降下と同時に、第24歩兵師団所属の第6中戦車大隊と、第3歩兵師団の歩兵部隊で編成されたグロウドン機動部隊が連携することになっていました。しかし、実際には中国人民志願軍と朝鮮人民軍は米軍の進撃前に撤退してしまい、グロウドン機動部隊は地雷原に遭遇した以外は、ほぼ抵抗を受けることなく目標を達成しました。
空挺降下
120機のC-119輸送機とC-46輸送機により、第187連隊戦闘団の3,437名の兵士、並びにインド陸軍第60空挺野戦救急隊の12名の将校と兵士が文山邑近郊に降下しました。これは、朝鮮戦争中2番目の規模の空挺作戦となりました。
作戦中に第187連隊戦闘団は4名の死者を出し、うち3名は戦死、1名は事故死でした。
作戦の影響
トマホーク作戦は、人民軍の包囲を目的としたものでしたが、敵軍の撤退により大規模な戦闘は発生しませんでした。この作戦は、アメリカ軍の空挺作戦能力を示すとともに、朝鮮戦争における戦術的な動きの一環として記録されています。
脚注
- - Mossman, Billy C. (1990). Edd and Flow : November 1950-july 1951. Center of Military History, United States Army
- - “6·25戦争史 第8巻-中共軍 총공세와 유엔군의 재반격” (PDF) (朝鮮語). 韓国国防部軍史編纂研究所. 2021年1月23日閲覧。
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