トマーシュ・ロシツキー

トマーシュ・ロシツキー：チェコの至宝、リトル・モーツァルト

トマーシュ・ロシツキー（Tomáš Rosický）は、1980年10月4日、チェコ・プラハ出身の元プロサッカー選手です。その創造性溢れるプレーから「リトル・モーツァルト」と称され、チェコ代表では長年キャプテンを務めました。

クラブキャリア

スパルタ・プラハでの躍進

ロシツキーは、地元の名門クラブ、スパルタ・プラハでプロキャリアをスタート。1999年にトップチームデビューを飾ると、すぐにその才能を開花させました。リーグ連覇に貢献するなど、国内で確固たる地位を築き、その活躍はヨーロッパのビッグクラブの注目を集めることになります。

ドルトムントでの挑戦

2001年、ロシツキーは当時ブンデスリーガ史上最高額となる移籍金でボルシア・ドルトムントへ移籍。背番号10を与えられ、中心選手として活躍しました。2001-02シーズンにはリーグ優勝を経験し、UEFAカップ（現UEFAヨーロッパリーグ）でも決勝に進出するなど、チームを牽引しました。

アーセナルでの苦闘と輝き

2006年、ロシツキーはアーセナルへ移籍。しかし、度重なる怪我に悩まされ、思うように出場機会を得られない時期もありました。それでも、不屈の精神で困難を乗り越え、200試合以上に出場。FAカップ優勝など、タイトル獲得に貢献しました。

スパルタ・プラハへの帰還と引退

2016年、ロシツキーはプロキャリアをスタートさせたスパルタ・プラハに復帰。しかし、怪我の影響もあり、2017年に現役引退を発表しました。引退後は、スパルタ・プラハのスポーツ・ディレクターとしてクラブの発展に貢献しています。

代表キャリア

ロシツキーは、2000年にチェコ代表デビュー。2006年から2016年までキャプテンを務め、3度のUEFA欧州選手権と2006 FIFAワールドカップに出場しました。2015年には100キャップを達成するなど、長年にわたりチェコ代表を牽引しました。

プレースタイル

ロシツキーは、卓越したボールコントロール、視野の広さ、正確なパスを武器に、攻撃を組み立てるプレーメーカーです。特に、アウトサイドキックを多用することで知られ、その独特なプレースタイルは多くのファンを魅了しました。また、戦術眼にも優れ、チームにバランスをもたらすことができるオールラウンドなミッドフィールダーでした。

エピソード

ドイツでのプレー時、その才能から「リトル・モーツァルト」の愛称で親しまれた。
アーセナルのアーセン・ベンゲル監督は、「サッカーを愛する人はロシツキーを愛することになるだろう」と語った。
* 怪我で長期離脱していた期間には、ギターの腕を磨き、チェコのロックバンドのコンサートで演奏を披露した。

トマーシュ・ロシツキーは、チェコサッカー史に名を刻む偉大な選手であり、その創造性溢れるプレーは、多くの人々の記憶に残ることでしょう。

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