トミスラヴ・イヴコヴィッチ

トミスラヴ・イヴコヴィッチのサッカーキャリア

トミスラヴ・イヴコヴィッチは、1960年に生まれたクロアチア出身の元サッカー選手であり、現在は指導者として活動しています。彼は主にゴールキーパーとしての役割を果たし、その高身長と優れた身体能力を活かしてハイボールの処理に定評がありました。1980年代後半にはユーゴスラビア代表の正ゴールキーパーとして活躍し、後にポルトガルリーグでも数々のクラブでプレーしました。

経歴

クラブキャリア

イヴコヴィッチのプロキャリアは1978年、ディナモ・ザグレブでスタートしました。彼はその後、1982年にミロスラヴ・ブラジェヴィッチ監督との意見の不一致を受けてディナモを退団し、しばらくミロン・ヴィンコヴツィに所属しました。1983年にはレッドスター・ベオグラードに移籍し、その後もキャリアを進めていきます。

1985年にはオーストリアのFCチロル・インスブルックに移籍し、1988年にはヴィーナーSCやKRCヘンクと渡り歩いた後、1989年にポルトガルのスポルティングCPに加入しました。彼のスポルティングでの初年度、UEFAカップのSSCナポリ戦では、伝説的な選手ディエゴ・マラドーナに対して独特な挑発を行い、結果的にPKを外させるというエピソードも有名です。

スポルティングでの4シーズンを経た後、GDエストリル・プライア、ヴィトーリアFC、CFベレネンセス、UDサラマンカおよびCFエストレラ・アマドーラと渡って、1998年に38歳という年齢で現役を引退しました。

代表活動

ユーゴスラビア代表としての活躍も見逃せません。1983年から1991年までに38キャップを記録し、1984年の欧州選手権では控えゴールキーパーとして参加しました。また、その年のロサンゼルスオリンピックでは銅メダルを獲得する偉業も成し遂げましたが、欧州選手権ではデンマークとの試合で5失点を喫し、チームはグループリーグで敗退という結果になりました。

続く1990年のワールドカップでは、全5試合にフル出場し、準々決勝のアルゼンチン戦では再びマラドーナとの対決があり、PKを止める活躍を見せましたが、チームはPK戦で敗れる結果となりました。連邦崩壊後はクロアチア国籍を選択しましたが、ディナモでの衝突を引きずり、クロアチア代表としての出場機会はありませんでした。

引退後

引退後もイヴコヴィッチはサッカー界に留まり、2004年から2006年にはクロアチア代表のゴールキーパーコーチを務めました。その後、アラブ首長国連邦に移住し、アル・シャバーブのコーチとして活動を開始。そして、イランのピルズィ・テヘランではアシスタントコーチとしてさらなる経験を重ねました。

2010年にはクロアチアのNKメジムリェで初の監督業に挑戦しますが、成績不振により短期間で解任されクラブも2部リーグへ降格してしまいました。イヴコヴィッチのサッカー人生は、選手としてだけでなく、指導者としても多くの経験を裏付けたものとなりました。

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