ミロスラヴ・ブラジェヴィッチ

ミロスラヴ・ブラジェヴィッチの生涯と業績

ミロスラヴ・ブラジェヴィッチ（Miroslav Blažević、1935年2月10日 - 2023年2月8日）は、ボスニア・ヘルツェゴビナ出身のクロアチア人で、サッカー選手および指導者として広く知られています。愛称は「チロ」（Ćiro）であり、クロアチアサッカー界に多大な影響を与えてきました。

選手時代

ブラジェヴィッチは、現役時代にリエカ、サラエヴォ、シオンといったクラブでプレーしました。彼の選手生活はスイスでの活動が印象的で、スイス・カップを制した後、1974年に監督への道を歩み始めます。1981-82シーズンには、ディナモ・ザグレブを24年ぶりのユーゴスラビア・リーグ優勝に導き、非凡な指導力を発揮しました。ユーゴスラビアの戦乱の時代には、スイスのグラスホッパーやフランスのナント、ギリシャのPAOKテッサロニキといったクラブでも監督を務めました。

指導者としての成功

1992年にクロアチアが独立した後、ブラジェヴィッチはディナモ・ザグレブに復帰。その後、1994年からクロアチア代表の監督に就任しました。在任中、クロアチアは1996年のUEFA欧州選手権で準々決勝、1998年のFIFAワールドカップで3位に輝くという偉業を成し遂げました。この成績はブラジェヴィッチの名を国際的に知らしめることとなります。

クロアチア代表の監督を退任した後も、イランやボスニア・ヘルツェゴビナ、中国の上海申花などで監督として活躍を続けました。2007年には、彼の長年の功績が評価され、フラニョ・ブチャル賞の功労賞を受賞しました。

人物と影響

ブラジェヴィッチは、自身のルーツを大切にしており、ミロスラヴはボスニア・ヘルツェゴビナで生まれながらも、スイス市民権を有していました。1962年には結婚し、3人の子供と5人の孫を持ち、家族を大切にする一面もあったようです。しかし、彼の兄弟は過去の厳しい歴史により、戦争の犠牲となってしまいました。

また、彼はフラニョ・トゥジマンを支持し、クロアチア民主同盟（HDZ）に籍を置いていましたが、政治状況に対して異議を唱える姿勢を持っていました。2005年にクロアチア大統領選挙に出馬しましたが、得票率は0.8%にとどまりました。その後、一度はHDZを離党したものの、再度復党し、都市議会の議員として活動を続けました。

死去

2023年2月8日、ブラジェヴィッチは誕生日のわずか2日前に88歳で逝去しました。彼の逝去により、サッカー界は一つの偉大な指導者を失うことになりました。ブラジェヴィッチの名は、クロアチアサッカーの偉業として永遠に語り継がれることでしょう。

もう一度検索