トムとジェリーウォーズ

トムとジェリーウォーズ：宇宙を舞台にした笑劇

『トムとジェリーウォーズ』(原題：O-Solar Meow)は、1966年にチャック・ジョーンズ監督によって制作されたトムとジェリーシリーズの短編アニメーションです。舞台は、未来の宇宙ステーション。円盤状のステーションで、トムとジェリーは共に暮らしています。

ある日、地球からチーズが宇宙輸送で届けられます。ジェリーはそれを察知し、小型ロケットで強奪しようと企てます。トムはジェリーの動きを独自の監視システムで把握し、ネコ型ロボットを起動させ、ジェリーを追跡します。

こうして、光線銃や飛行ベルトといった未来的な道具を駆使した、ドタバタ劇が始まります。ジェリーは巧みな技でネコ型ロボットをかわし、チーズを手に入れることに成功します。しかし、トムも飛行ベルトを装着し、ジェリーを追撃。空中戦が繰り広げられ、トムはジェリーを捕獲寸前まで追い詰めます。

激しい追いかけっこの中、トムは自身の不慣れな操縦技術により飛行ベルトを故障させ、様々なハプニングに見舞われます。一方ジェリーは、軽快な動きと高度な飛行技術でトムを翻弄します。

最終的にジェリーはトムに捕まり、大砲で宇宙ステーションから放り出されてしまいます。しかし、ジェリーが着陸した場所は、なんとチーズでできた惑星！ ジェリーはそこで思う存分チーズを堪能し、満足げに眠りにつきます。

一方、トムは勝利の余韻に浸り、光線銃を乱射。宇宙ステーションに無数の穴を開けてしまいます。その結果、トムは憲兵隊に光線銃を突きつけられ、穴だらけになったステーションの修理を命じられるというオチを迎えます。

キャラクターの活躍

トム: ジェリーがチーズを横取りしようとするのを監視システムで確認し、ネコ型ロボットや光線銃、飛行ベルトを用いてジェリーを追跡します。しかし、自身の不器用さと、ジェリーの機転の良さに翻弄され、最後は自業自得の事態に陥ります。

ジェリー: 小型ロケットや飛行ベルトを駆使し、トムの追跡をかわしてチーズを手に入れます。トムの攻撃を巧みに回避し、最後はチーズと共に宇宙ステーションから放り出されますが、チーズ惑星という幸運に恵まれます。

ネコ型ロボット: トムの指示でジェリーを追跡しますが、ジェリーの機敏な動きに翻弄され、あまり役に立ちません。

飛行ベルト: トムとジェリーが宇宙ステーション内を飛行する際に使用する装置。トムは操作に不慣れで、様々なトラブルを引き起こします。

* ネズミ型スポーツカー: ジェリーがチーズ強奪に使用した小型で高速な乗り物。赤外線センサーによってトムに侵入を知らせるトリガーとなります。

作品の魅力

本作の魅力は、未来的な舞台設定と、トムとジェリーの定番の追いかけっこに、新たな工夫が凝らされている点です。様々な未来的なガジェットが登場し、独特のユーモラスな展開が楽しめます。トムの計画はことごとく失敗し、ジェリーは一見敗北するものの、意外な幸運に恵まれるという、トムとジェリーのキャラクター性を活かしたストーリー展開も見どころです。また、宇宙ステーションのクルーである憲兵が登場するのも、本作の特徴の一つです。

日本の放映

日本では1980年頃、日本テレビ系で放映され、その後も再放送やDVD化などを通して、長年に渡り愛され続けています。

この作品は、チャック・ジョーンズ監督によるトムとジェリーの短編アニメーションの中でも、特にユニークで魅力的な作品の一つと言えるでしょう。未来的な舞台設定と、トムとジェリーのコミカルなやり取りは、老若男女問わず楽しめる作品となっています。

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