トムキャット・スクリーミング・アウトサイド

『トムキャット・スクリーミング・アウトサイド』解説

『トムキャット・スクリーミング・アウトサイド』は、イギリスのミュージシャン、ローランド・オーザバルが2001年4月2日に発表したソロアルバムです。ティアーズ・フォー・フィアーズのメンバーとして知られる彼の、現在まで唯一のソロ作品となっています。

1990年代、バンドメイトのカート・スミス脱退後、オーザバル名義で初めてリリースされた本作は、アラン・グリフィスとの最後のコラボレーション作品でもあります。アルバムの収録曲と、それ以前のティアーズ・フォー・フィアーズの2枚のアルバムは、オーザバルとグリフィスによって共同で作曲されました。

大規模なプロモーションが行われなかったこともあり、チャートでは目立った成果を上げられませんでしたが、音楽性は高く評価されました。ドラムンベース、アンビエント・テクノ、トリップホップといった要素を、ポップな楽曲の中に巧みに融合させています。Amazon.comのレビューでは、「ソロアルバムという肩書きはさておき、『トムキャット・スクリーミング・アウトサイド』はここ10年で最も素晴らしいティアーズ・フォー・フィアーズのアルバムだ」と評されています。

オーザバルは2000年のインタビューで、アルバム制作に影響を与えた要素について、「目指すべき場所の明確なビジョンを持ち、ドラムンベースやジャングルといった、従来とは異なるリズムのアプローチから始めた」と語っています。

アメリカでの発売日は、2001年9月11日。アメリカ同時多発テロ事件が発生した日であり、この不幸な偶然が重なり、ティアーズ・フォー・フィアーズの熱心なファン以外にはほとんど告知されないまま、埋もれてしまいました。

収録曲

全曲、ローランド・オーザバルとアラン・グリフィスによる作曲です。ただし、以下の楽曲は作曲者が異なります。

1. チケット・トゥ・ザ・ワールド - "Ticket to the World"
2. ロウ・ライフ - "Low Life" (オーザバル)
3. ヒプノカルチャー - "Hypnoculture" (オーザバル)
4. バレッツ・フォー・ブレインズ - "Bullets for Brains"
5. フォー・ザ・ラヴ・オブ・ケイン - "For the Love of Cain" (オーザバル)
6. アンダー・イーサー - "Under Ether"
7. デイ・バイ・デイ・バイ・デイ・バイ・デイ・バイ・デイ - "Day By Day By Day By Day By Day"
8. ダンデライオン - "Dandelion"
9. ヘイ・アンディ! - "Hey Andy!" (オーザバル)
10. キル・ラヴ - "Kill Love"
11. スノウ・ドロップ - "Snowdrop"
12. メイビー・アワ・デイズ・アー・ナンバード - "Maybe Our Days Are Numbered"
13. ロウ・ライフ (Supersub Mix) - "Low Life (Supersub Mix)" ※日本盤ボーナストラック
14. ロウ・ライフ (President Who? Mix) - "Low Life (President Who? Mix)" ※日本盤ボーナストラック

シングル

「Low Life」は、アルバムからの最初のシングルとしてリリースされました（日本未発売）。ヨーロッパではリリースされましたが、イギリスでの発売計画は中止されています。アメリカではアダルト・オルタナティヴ・ラジオでオンエアされました。

セカンド・シングルとして「For the Love of Cain」が予定されていましたが、「Low Life」のドイツでのチャート成績が振るわなかったため、キャンセルされました。ごく少数のプロモーション用コピーが、オーザバルの公式サイトを通じて販売されました。

Low Life (2001年3月12日)

1. "Low Life" (Album Version) – 4:37
2. "Low Life" (Supersub Mix) – 4:58
3. "Low Life" (President Who? Mix) – 4:50
4. "Low Life" (Radio Edit) – 4:07

For the Love of Cain (2001年8月)

1. "For the Love of Cain (Radio Edit) – 3:33
2. "Day By Day By Day By Day By Day" (Album Version) – 4:35
3. "Low Life" (Album Version) – 4:37
4. "Low Life" (Video) – 4:35

参加ミュージシャン

ローランド・オーザバル (Roland Orzabal) - ギター、キーボード、プログラミング、ボーカル
アラン・グリフィス (Alan Griffiths) - ギター、キーボード、プログラミング
デヴィッド・サットン (David Sutton) - ベース
ニック・ディヴァージリオ (Nick D'Virgilio) - ドラム
* マーク・オドノフュー (Mark O'Donoughue) - エンジニア、ミキシング

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