トム・ホーバス

トム・ホーバスのプロフィール

トム・ホーバス（本名：トーマス・ウェイン・ホーバス）は、1967年1月31日生まれのアメリカ合衆国出身のバスケットボール選手であり、現在は指導者として活動しています。コロラド州デュランゴに生まれ、スモールフォワードとしてNBAでもプレー経験があります。彼は2017年から女子日本代表チームのヘッドコーチに就任し、2020東京オリンピックではチームを銀メダルに導くなど、その指導力を高く評価されています。2021年からは男子日本代表のヘッドコーチも務めており、日々日本のバスケットボール界に貢献しています。

来歴

ホーバスは5歳からバスケットボールを始め、高校はウィディフィールド・ハイ・スクールを卒業後、ペンシルベニア州立大学に進学。大学卒業後、ポルトガルリーグのスポルティングでプレーした後、日本リーグのトヨタ自動車ペイサーズ（現在のアルバルク東京）に入団しました。

ここでの活躍により、4年連続で日本リーグの得点王、さらに2年連続で3ポイント王を獲得。1994年にはNBAのアトランタ・ホークスに所属しましたが、出場機会は2試合にとどまりました。その後もCBAのピッツバーグ・ピラニアズを経て再びトヨタ自動車に復帰し、2000年には東芝レッドサンダース（現：川崎ブレイブサンダース）に移籍。選手生活の最終年を迎えました。

指導者としての活動

選手引退後、ホーバスは一時米国に帰国しFBIに応募しましたが、同時多発テロ事件の影響で採用は見送られました。その後、一般企業で働く傍ら、高校生を対象にバスケットボールのコーチを経験します。2010年には女子バスケットボールリーグ(Wリーグ)のチャンピオンチームであるJXサンフラワーズからコーチに就任のオファーを受け、女子バスケットボールの指導に正式に関わることになりました。

ホーバスは2011年から女子日本代表アシスタントコーチを務め、2014年にはアソシエイトヘッドコーチに昇格。その後、2017年に女子日本代表のヘッドコーチに就任しました。女子代表における外国人ヘッドコーチは初めてのことでした。この役職において、ホーバスは2017年FIBA女子アジアカップ優勝を果たし、東京2020オリンピックへと導くことになります。この大会では、チームを銀メダルに導く素晴らしい成績を収めました。

2021年9月には男子日本代表のヘッドコーチに就任し、2023年のFIBAバスケットボール・ワールドカップでは、アジア勢の中で最上位にあたる19位を記録し、パリオリンピックへの出場権を獲得するという快挙も成し遂げました。

指導理念とスタイル

ホーバスは、日本での長年の生活を通じて日本語が堪能であり、指導の際には選手とのコミュニケーションを大切にしています。「自分の言葉で伝えることにインパクトがある」と語り、選手たちとの関わりを大事にしています。また、自身が「スーパーチーム」として評価する女子日本代表チームについても多くの賞賛の言葉を寄せています。

彼はリック・カーライルに似ていると評されることもあり、選手たちからは「トムさん」と親しみを持って呼ばれています。コーチとしての姿勢や選手への接し方は、多くの人々から愛され、尊敬される理由の一つです。

メディア出演と著作

ホーバスは自身の経験や指導法について、テレビ番組や書籍を通じて発信しています。例えば、2017年にはNHKで放映された『アスリートの魂』、また2021年には日本テレビの『真相報道 バンキシャ!』に出演。2023年には『奇跡のレッスン 女子バスケットボール トム・ホーバス ゴールは背伸びした挑戦の先に』が放送され、彼の指導方法や哲学を広める一助となっています。

また、著書には『ウイニングメンタリティー コーチングとは信じること』や『チャレンジング・トム - 日本女子バスケを東京五輪銀メダルに導いた魔法の言葉』があり、彼の考え方や指導理論がまとめられています。

まとめ

トム・ホーバスは、選手としての素晴らしいキャリアを経て、指導者としても数々の成功を収めてきました。彼のリーダーシップと日本におけるバスケットボールへの貢献は、今後も多くの人に影響を与え続けることでしょう。

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