トモセシュンサク

トモセシュンサク：少年時代の夢から人気イラストレーターへ

トモセシュンサク氏は、福岡県出身のイラストレーター、原画家です。中学生の頃から絵を描く仕事に憧れ、特に週刊少年ジャンプの漫画家を志していました。その夢を実現するため、大学では美術系の学部に進学し、油絵などを学んだと語っています。

大学卒業間際、思いつきで描いた読み切り漫画を『月刊アフタヌーン』に応募したところ、四季賞を受賞するという快挙を成し遂げます。しかし、その後、編集部から依頼されたシリーズもののネーム制作に苦戦し、一旦漫画家としての道を離れることになります。

転機となったのは同人ゲーム制作への参加でした。自身のイラストが好評を得たことで、イラストレーターとしての道を模索し始めるきっかけとなります。2004年頃から同人活動を本格化。当初はコミックマーケットへの参加はなく、ダウンロード販売サイトでCGイラスト集を発表していました。これらの作品がアダルトゲーム業界関係者の目に留まり、原画の依頼を受けるようになり、2007年にはアリスソフトの『だぶる先生らいふっ』としゃんぐりらの『僕と極姫と海のYear!!』の2作品で商業デビューを果たします。

最初の商業作品制作では鉛筆を使用していましたが、彩色の段階で苦情が出たため、SAI(ソフト)への移行を余儀なくされました。その後、SAIで線画を描き、Adobe Photoshopで仕上げるという自身のスタイルを確立していきます。同時に、雑誌『マジキュー』でイラストレーターとしても商業デビューを果たし、『電撃萌王』や『月刊コミック電撃大王』などのアスキー・メディアワークス発行の雑誌、そして『COMICポプリクラブ』などで活躍の場を広げていきます。

特に転機となったのは、しゃんぐりら制作の『暁の護衛』（2008年）です。シナリオ担当の衣笠彰梧氏から提供された導入部分のシナリオに感銘を受け、制作に臨んだトモセ氏は、その経験を通じて、自身の作風を確立し、商業作品制作における喜びを見出しました。

2011年には、衣笠氏と共に「てぃ〜ぐる」ブランドを設立。その後も精力的に活動を続け、数々のゲームやライトノベルのイラスト、挿絵を手掛けています。その高い評価は、『このライトノベルがすごい！』イラストレーター部門で顕著に表れています。2019年度から6年連続でトップ10入りを果たし、2021年度からは3年連続で1位を獲得しています。

トモセシュンサク氏の作品は、ゲーム、ライトノベル、画集と多岐に渡り、その活躍は商業作品のみならず、同人作品にも及びます。代表的な作品としては、『だぶる先生らいふっ』、『暁の護衛』シリーズ、『ようこそ実力至上主義の教室へ』の挿絵などがあります。また、『COMICポプリクラブ』の表紙イラストなども多数手がけており、その幅広い活動は、多くのファンを魅了し続けています。

少年時代の夢から始まり、紆余曲折を経て現在の地位を築き上げたトモセシュンサク氏。その卓越した画力と才能は、これからも多くの作品を通して、私たちを楽しませ、感動を与え続けることでしょう。

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