トモダチごっこ

トモダチごっこ

『トモダチごっこ』は、ももち麗子による日本の漫画作品。講談社の『デザート』にて2011年4月号から2012年3月号まで連載されました。全13話で、単行本は全3巻。

概要

本作は、「いじめ」と「友達」という普遍的なテーマを扱いつつ、主人公が過去へタイムスリップするという斬新な展開が特徴です。「人生をやり直せたらどうするか」という問いかけを通じて、登場人物たちの心の葛藤や成長を描いています。

あらすじ

物語の舞台は、仙台にあるお嬢様学校として知られる聖エトワール女学館。主人公の村咲みどりは、東京の高校受験に失敗し、さらに家庭の事情から仙台へ引っ越し、この学校に転入することになります。

転校生として迎えられるみどりでしたが、クラス委員長の伊集院エレナは冷たい態度を取ります。そんな中、みどりは幼馴染の氏原あかりと再会しますが、あかりはエレナたちからいじめを受けていました。みどりはあかりを助けようとしますが、それがきっかけで自身もいじめの標的に。あかりも見捨ててしまい、絶望したみどりは屋上から飛び降り自殺を図ります。

しかし、みどりは飛び降りた瞬間に中学生時代にタイムスリップ。過去に戻ったことを知った彼女は、人生をやり直すことを決意します。今度は第一志望の高校に合格するものの、再び仙台へ引っ越し、聖エトワール女学館に入学。過去の出来事を踏まえ、表向きはいじめに目を瞑りながら、陰であかりを助けようとします。しかし、その行動がエレナに知られ、再び目をつけられてしまいます。そんな中、幼馴染の鳥羽大輔が現れ、みどりの「第二の人生」は思わぬ方向へと動き出すことになります。

登場人物

村咲 みどり（むらさき みどり）

本作の主人公。明るい性格で、お笑いが好き。過去のいじめを苦に自殺を図り、タイムスリップして人生をやり直すことになる。二度目の人生では、あかりを助けつつ、エレナとの関係に苦悩する。

伊集院 エレナ（いじゅういん エレナ）

みどりのクラスの委員長。裕福な家庭のお嬢様で、周囲からは「エレナ様」と呼ばれている。しかし、裏ではあかりやみどりをいじめる主犯格。傲慢で自己中心的な性格。

氏原 あかり（うじはら あかり）

みどりの幼馴染。エレナたちからいじめを受けている。大人しい性格だが、みどりの優しさに触れ、友情を育んでいく。過去のトラウマに苦しむ一面も。

鳥羽 大輔（とば だいすけ）

みどりとあかりの幼馴染。サッカー部のエースで、明るく人気者。みどりの二度目の人生において、彼女を支える存在となる。エレナとの関係に巻き込まれる。

テーマ

いじめ: 本作の中心的なテーマ。いじめによる被害者の苦しみや、いじめを行う側の心理、周囲の無関心などを描いている。
友情: みどりとあかりの友情が物語の軸となっている。困難な状況の中で、互いを支え合い、成長していく姿を描いている。
人生の選択: タイムスリップという設定を通じて、人生の選択とその結果について問いかけている。過去の過ちを乗り越え、未来を切り開くことの難しさや希望を描いている。

書誌情報

ももち麗子『トモダチごっこ』講談社〈KCデザート〉、全3巻
2011年7月13日発売、ISBN 978-4-06-365657-2
2011年11月11日発売、ISBN 978-4-06-365673-2
* 2012年4月13日発売、ISBN 978-4-06-365689-3

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