トヨタ・セリカXX

セリカXX（セルイカ ダブルエックス）

概要

セリカXXはトヨタ自動車が1980年代に製造したクーペ型の乗用車です。日産のフェアレディZの成功に触発され、特に北米市場のトヨタディーラーからの要望を受け、ラグジュアリーでありながらスポーティな特性を持ったモデルとして開発されました。なお、北米ではスープラという名前に変更され、日本国内専用の名称として使用されることになりましたが、1986年にはモデル名もスープラに統一されることになりました。セリカXXは、トヨタのセリカの上級モデルとして位置づけられましたが、単独のブランドとしての認知度はありました。

初代 A40/50型（1978年-1981年）

初代セリカXXは1978年に登場しました。このモデルは、4気筒のセリカから一線を画す高級仕様で、M型直列6気筒エンジンが搭載されていました。デザインは、A40型セリカの基本形をもとにしたロングノーズのボディスタイルを持ち、豪華感を強調する仕様が特徴でした。一般的に、高級スペシャルティカーとしてのスタイルを持ち、その後のトヨタ車にも影響を及ぼしました。

初代モデルの特徴として、角型4灯ヘッドランプやカラードウレタンバンパーがあり、内装も高級感のあるバーガンディー色が使われていました。また、オプションでスライディングサンルーフが提供されていました。

前期型

前期モデルのグレードは、2.0L仕様のMA45がL、S、Gの3種、2.6L仕様のMA46がS、Gの2種存在しました。1980年代に流行した4速ATが設定されており、オーバードライブの機能も備わっていました。特に、このオーバードライブ設定スイッチは、当時の日本車において注目されました。また、全車両にフェンダーミラーが装備されていたことも、当時の特徴の一つです。

後期型

1980年に行われたマイナーチェンジで、リアサスペンションの設計が見直され、運転の安定性が向上しました。この時、2.8Lエンジンを搭載したモデルも追加され、ボディの内装も一新され、さらに高級感が増しました。

2代目 A60型（1981年-1986年）

1981年に登場した2代目セリカXXは、初代の豪華志向を改めてスポーティな印象を強めました。このモデルでは、CMにロータス・カーズの創始者コーリン・チャップマンが起用され、走行性能の優位性がキャッチコピーとして取り上げられました。

新しいデザインは直線主体なシャープなスタイルに改められ、空力特性も非常に優れていました。2800GTモデルでは200Km/hを超える性能を発揮するなど、日本車のパフォーマンスを示すモデルとなりました。装備面でも充実さがあり、高級車としての役割を担いました。

前期型と後期型

前期型はさまざまなエンジン仕様が用意され、後期型では外観が大きく変更され、テールランプデザインが傷みやすくなりました。1986年2月に販売が終了されるまでに、セリカXXはトヨタ製の高性能かつ豪華なオートモビルとしての地位を確立しました。

車名の由来

「セリカ」はスペイン語の「天の」、「XX」は未知数を表すもので、これを合わせることで特別な意味を持った名称が与えられました。この車種はトヨタの伝統的なブルーと当時の最新技術を結びつけた象徴的なモデルと言えるでしょう。

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